12月10日、株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)が提供するタクシー配車アプリ「MOV」は、AIを活用してタクシーの需要供給予測をし、乗務員に対して経路をナビゲーションする「お客様探索ナビ」の商用化を開始した。
お客様探索ナビは、運行中のタクシー車両から収集するプローブデータ(自動車が走行した位置や社則などの情報を用いて生成された道路交通情報)を解析し、カーナビゲーションのように乗務員をリアルタイムかつ個別に客が待つ通りまで誘導するものだ。乗務員は、お客様探索ナビに従って走行するだけで、効率的に客を探すことができる。
商用化にあたって、2018年11月以降、5回におよぶ実証実験をしてきた。サービスを実際に利用した乗務員からは、
「提示ルートに納得感があり、収益性の高い典型的な営業ルートを再現できている」
などという反応が挙がっているとのこと。
最大の特徴は、エリアごとの需要予測をするだけではなく、ほかのタクシーの供給量も加味しながら道路単位で最適な経路をレコメンドすること。道に慣れない“新人乗務員”でもすぐに収益を上げることに期待されている。収益性の向上をサポートするため、歩合制に対する不安解消にもつながりそうだ。
道路レベルでの需要予測結果の一例(画像はプレスリリースから)
DeNA人気ゲームの裏側にもあるAI
MOVだけでなく、さまざまなアプリやサービスを提供するDeNA。昨年、同社はテックカンファレンス「BIT VALLEY 2018」に出演。そこでは、ゲームアプリ「逆転オセロニア」のユーザー体験向上において、どのようにAIが使われているのかが語られた。
逆転オセロニア内では、大きく分けて二種類のAIが使われているという。ひとつは「プレイヤーのサポート」、もうひとつは「ゲームバランス調整のサポート」だ。どちらとも、ゲーム環境のモニタリングがカギを握っているそうだ。
DeNAが取り組んでいるゲームにおけるAIのカンファレンスの模様は、Ledge.ai編集部も取材し記事にしているのでぜひともご覧いただきたい。
>> プレスリリース