世界的な新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、多くの企業でDX(デジタルトランスフォーメーション)の必要性が高まっている。
株式会社電通デジタルは、株式会社日経BPコンサルティングに委託して「日本における企業のデジタルトランスフォーメーション調査(2021年度)」を実施した。本調査は2017年以降、経年で調査を続けている。今回で5回目だ。
DXに着手している企業は8割以上
「DXの取り組み状況」を聞くと、着手している(完了済み、複数・一部の領域で取り組み中、計画査定中)と答えた企業が81%だった。
コロナ禍によりDXの必要性の再認識、重要視が進む 6割以上が「重要度が上がった」と回答
「新型コロナウイルスによるDXの重要度の変化」について聞くと、DXの重要度が上がり経営テーマとなった(13.6%)」「DXの重要度が上がった(51.5%)」と、重要度が上がったと答えた企業が65.1%だった。
自社が「変化する顧客の期待に応えられていない」と感じている企業が4割近く
「変化する消費者や顧客の期待に応えられていると思うか」という問いには、「あまり応えられていない(30.7%)」「応えられていない(8.5%)」と、4割近くの企業が「顧客の期待に応えられていない(39.2%)」と回答した。
「顧客の期待に応えられている」と回答した企業ほど、DXへの取り組みが進む
「自社は顧客の期待に応えらえていると思うか」と「DXの取り組み状況✕顧客の期待に応えられているか」をクロス集計した結果
「顧客の期待に応えられている」と回答した企業はDXへの取り組みが進んでいる一方で、「顧客の期待に応えられていない」と回答した企業はDXへの取り組みが計画中や計画自体がないという回答が多かった。DX推進が変化する顧客ニーズへの対応にも関係していることがわかった。
DXですでに成果が出ている企業ほど、DX戦略の推進や事業モデル変革、新規事業開発に取り組む
「(企業全体の)DXの取り組みの成果」と「DXの取り組みや計画している領域・内容」をクロス集計した結果。非常に成果がでている(TOP1)/まったく成果がでていない(BTM1)の差分
DXの取り組みで成果がある企業ほど、「デジタル時代に対応する事業ドメインへの進化変革(13.2%)」など、DX戦略の推進や事業モデル変革、新規事業開発に取り組んでいる傾向があることがわかった。システム導入や既存事業でのデータ活用に留まらず、時代や消費者の変化に対応するために、DXで事業変革や新規事業開発に取り組み、成果を実感していると考えられる。
DXですでに成果が出ている企業ほど、ミッションやパーパスが制定されている
「(企業全体の)DXの取り組みの成果」「ミッションもしくはパーパスなどの経営指針が制定されていると思うか」をクロス集計した結果
DXでの取り組みで成果がある企業ほど、「変化する社会に対する企業の存在意義の再定義」や「デジタル化への対応・DXを通して実現したい提供価値」といったミッションやパーパスが制定されている傾向があることがわかった。
調査の概要は以下のとおり。
- 調査対象者:従業員数500人以上の国内企業所属者
- 算出用サンプル数:3000サンプル
- 調査対象者の業種:全業種 ※日経BPグループモニターおよび提携モニターを対象
- 調査対象者の所属:経営・社業全般、経営企画・事業開発、営業/営業企画・販売、カスタマーサービス、製品開発、企画・調査・マーケティング、デジタル統括/推進、IT/情報システム、広報/宣伝
- 調査対象者の役職:経営者・役員クラス、本部長・事業部長/部長クラス、課長クラス、係長・主任クラス
- 調査時期:2021年9月29日~10月8日
- 主な調査項目:
・DXの取り組み状況
・DXの取り組み領域
・新型コロナウイルス流行によるDXへの影響
・DXの計画・推進上の障壁・課題
・DX人材に関する具体的な課題
・コロナ禍による顧客接点の見直しの取り組み度合い など
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