熊本市でAIを活用した防災、減災システムの実証実験開始

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損害保険ジャパン日本興亜は、米国シリコンバレーの防災スタートアップ企業のOne Concern社およびウェザーニューズとともに防災・減災システムを共同開発しており、今月から熊本市での実証を開始した。

One Concern社はAIなどの最先端技術を活用した災害予測と防災・減災システムを提供しており、米国ではロサンゼルス市、サンフランシスコ市、シアトル市などの自治体で同システムが導入済みだ。

その技術力に加え、ウェザーニューズで得られた日本固有の過去の気象データおよび気象予測データを活用することで、高度かつ精緻な災害による被害シミュレーションを行い、災害に強い都市づくりを実現を目指している。

災害の発生前だけでなく、発生時・発生後にも役立つシステム

開発中の防災・減災システムは、地震・洪水といった災害を予測するだけでなく、以下のように、災害発生時・災害発生後にも活躍する。

  • 災害発生前
  • AIの活用により、災害危険性と地域の脆弱性を評価することで、正確な被害予測シミュレーションが可能。防災計画の策定・見直しによる防災・減災に役立つ。

  • 災害発生時
  • 災害発生直後に被災地域の被害予測を提供。被災地域・被害規模の正確な把握と、迅速な救護活動に役立つ。

  • 災害発生後
  • 災害発生後の実際の被害状況を収集。リアルタイムでの正確な被害状況の把握と、適切で効果的な復興計画の作成に役立つ。

さらに被害予測サービスとリアルタイムな被害状況の把握は、区画単位で可能で、地域に合わせた対応が可能となっている。

人々の「安心・安全・健康」 な生活をサポート

熊本市では実証実験を経て、2019年9月には実際に利用が開始される予定。

損害保険ジャパン日本興亜では、防災・減災システムと保険サービスの連動や、防災・減災システムを活用したBCP コンサルティングサービスのさらなる充実による、 人々の「安心・安全・健康」 な生活のサポートを目指している。

東日本大震災を経て、災害の犠牲者を減らすためにテクノロジーはどう進化しているかでも紹介したように、災害対策AIの開発・活用は進んでいる。
過去の阪神淡路大震災や東日本大震災と同じ規模の災害が起きたとしても、被害を最小限に抑える可能性がAI活用にはありそうだ。

source:https://www.sjnk.co.jp/~/media/SJNK/files/news/2018/20190325_1.pdf