最近、CMなどでよく耳にする自動運転技術による運転アシスタント。
実現されれば交通を便利にする無人運転ですが、今年3月18日に起きたUberの自動運転事故のように、まだまだ安全面での不安もありますよね。
そんな中、Drive.aiという企業が、オンデマンドの無人運転による配車サービスを7月からテキサス州で開始するというニュースがありました。どのようなサービスなのか、安全面にも注目して見ていきましょう。
どこで使える?地域の人々の交通を便利にする無人タクシー
配車サービスが提供されるのは、テキサス州の都市フリスコ。
小売り店やエンターテイメント施設、オフィスが多い商業地域「North Platinum Corridor」の周辺で実施されます。
この配車サービスは、フリスコ地区で働く従業員、住民、支援者の10,000人以上が対象。2018年7月から6ヶ月間のトライアル中、Drive.aiの専用アプリを使って呼び出し、無料で乗車することができます。
ただし、乗車、降車は決められた場所でのみ可能。利用するときはアプリで呼び出し後、自ら乗車位置まで移動するようになっています。
乗り心地はどんなもの?無人運転の動画も公開中
Drive.aiは、テキサスの道路で無人運転のテストを実施し、その動画を公開しています。
その動画が以下の2つ。1つ目は外から撮影された映像です。
女性がアプリを使って呼び出すと、「SELF-DRIVING VEHICLE BOARDING AREA」とかかれた看板のある指定された乗車位置に無人タクシーが到着。
女性が乗車している間は、外につけられているスクリーンに「Passengers Entering/Exiting」と危険信号のマークが表示されています。
ドアを閉めると、車は発進。スムーズな運転なようで女性もくつろいで本を読んでいます。
順調に車が進行していると、横断歩道に歩行者が。このような場合でも無人タクシーは歩行者を認識し、「Waiting for You to Cross」と前方についているスクリーンに表示し、渡りきるまで待ちます。
また、後ろについているスクリーンには「Wating for Pedestrian」と表示し、後続車にも伝えています。
その後も、安定した走りで女性を目的地まで送迎。
無人運転ではありますが、乗車している女性も安心できる快適な運転となっているようですね。
こちらの動画は、車両の内側から撮影された動画。
右下には、歩行者、自動車、建物をどのように認識しているかを表示。
自動車の場合、青色の直方体として表示されています。
また、進む道筋も赤色の線で表され、それをなぞる形で進行。
決して速くはないですが、スムーズな運転となっています。
ハンドルが自動で回転していて、どこか不思議で未来感を感じますね。
無人運転の安全性を維持するAI技術だけでない工夫
まだまだ安全面での不安がある無人運転。
Drive.aiは、そうした安全面を向上するために、さまざまな工夫を施しています。
- 歩行者やほかの運転手に次にどう動くかスクリーンで知らせる
- 車両の色を目立つオレンジ色にし、無人運転であることを伝える
- 通る道に認識できる印をつけている
- 決められた範囲のみでの使用により想定される障害を予測している
- 安全な乗車、降車のため乗車範囲、降車範囲を用いている
上記からもわかるように、AIの自動運転技術を上げる以外の観点がとても重要になってくると思います。
活発に開発が行われる自動運転技術。もちろん、すぐに日本で無人運転サービスが提供されることはないかもしれませんが、将来的には導入され、無人タクシーで通勤する人も出てくるかもしれません。
日本にもいずれ訪れるであろう無人運転の波、無人運転普及の鍵となる利便性と安全性に対してどのようなアプローチがされるのか、今後も注目していきます。