ドライアイの自覚症状が重症化するほど抑うつ症状を併発、順天堂大学が発表 ビッグデータ解析で

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<画像出典:Pixabay

順天堂大学大学院医学研究科眼科学の村上晶教授、猪俣武範准教授らの研究グループは3月27日、ドライアイの自覚症状が重症化するほど抑うつ症状を併発することを発表した。

iPhoneアプリ「ドライアイリズム」によるクラウド型大規模臨床研究を実施した結果にもとづくもので、4454名の医療ビッグデータを検証している。

正常時と比較すると3.29倍も抑うつ症状を併発しやすい

順天堂大学の研究グループによる研究は、ドライアイリズムをダウンロードした国内ユーザーのなかから、
1、基本情報(年齢・性別など)
2、病歴(高血圧・糖尿病・血液疾患・脳疾患・心疾患・腎疾患・肝疾患・悪性腫瘍・呼吸器疾患・花粉症・精神疾患・眼手術歴など)
3、生活習慣(コーヒー摂取量・コンタクトレンズ装用の有無・点眼使用の有無・モニターを見る時間・睡眠時間・喫煙・飲水量など)
4、ドライアイ疾患特異的問診票であるOcular Surface Disease Index (OSDI)
5、自己評価式抑うつ性尺度であるSelf-rating Depression Scale (SDS)
などに回答した4454名を対象としている。


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回答結果のなかから、対象者のドライアイの自覚症状を、年齢や性別、病歴、生活習慣などとの関連や、ドライアイの自覚症状と抑うつ症状の関連を解析した。

この4454名の研究対象者のうち、74.0%(3294名)にドライアイ症状を、73.4%(3271名)に抑うつ症状を認めた。このうち、ドライアイ症状あり、および抑うつ症状ありは78.8%(2596/3294名)だった。

解析の結果、ドライアイの自覚症状が重症化するほど抑うつ症状も悪化傾向にあることがわかった。さらに、重症のドライアイの自覚症状は、正常と比較して3.29倍も抑うつ症状を併発しやすいことも判明した。

研究チームでは今後、人工知能を用いた個別のドライアイやうつ病の発症予測アルゴリズムを創出したいと考えている。また、スマートフォンアプリでドライアイの自覚症状をモニタリングすることで、抑うつ症状の有無を提示できる可能性があるとしている。

ドライアイの自覚症状と抑うつ症状の関連(画像はプレスリリースから)
抑うつ症状ありに対するドライアイ症状のオッズ比(画像はプレスリリースから)

>>プレスリリース

医療現場で使われるAI、乳がんの精度向上を目指す

ドライアイと抑うつ症状の関連性以外にも、医療現場へのAI活用の事例が増えつつある。

たとえば、株式会社NTTデータとDataRobot, Inc.は3月26日に、株式会社ミルテルが提供する乳がん検査「乳がんミアテスト」の精度向上のために、AIサクセスプログラムなどの活用開始を発表した。これによって、乳がんの早期発見・診断を実現できると考えている。

日本人の死因は男女ともに「がん」が第1位で、そのなかでも乳がんは、女性のがん罹患数では第1位、死因では5位となっている。

そのため、乳がんを早期発見できるようになれば、死亡率を下げられるだけでなく、手術に頼らない治療にもつながるため、完治後の患者負担の軽減に大きく貢献できるとしている。