物流施設における入出庫作業、AIが作業員の配置や在庫配置の最適化を実現

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GROUND株式会社は9月28日、物流施設における業務ナレッジや内部・外部データを蓄積・解析し、在庫保管効率や物流作業効率を向上させるAI物流ソフトウェア「DyAS」の提供を開始したことを発表した。

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物流業界の需要に伴う負担、AIが最適な計画を作成し効率化を実現

昨今のEC市場の急速な成長により、この10年で世界の流通モデルは変化している。消費者ニーズの高度化や多様化、配送短期化、人件費や運送費の高騰、物流施設管理者においては膨大な在庫管理や複数リソースの稼働管理など、流通・物流を取り巻く環境は厳しさを増し、ロボットやAIといった新しいテクノロジーやデータの活用に期待が寄せられている状況だ。

また、少子高齢化の加速に伴い、2010年から2060年までの50年間における生産年齢人口の半減が社会課題のひとつになっていることや新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う緊急事態宣言や外出自粛要請により、社会インフラとしてのECや物流への需要が拡大し、持続可能なあり方が問われている。

そうしたなかで、GROUNDは物流業界に対して、在庫保管効率や物流作業効率を向上させるAIソフトウェア DyASを提供する。同ソフトウェア内の「拠点内在庫配置最適化」および「リソース配分最適化」モジュールに使用されているアルゴリズムは、日本国内で特許を取得している。

「DyAS」利用の流れ

DyASの特長として、作業量をもとに、限られた要因でアイドルタイムを極小化しながら遅滞なく作業を完遂するための最適な要員計画作成が挙げられる。また、物流センター内のレイアウトや動線ルールをデジタル化し、倉庫管理システムの入出庫作業指示データと組み合わせることで、作業者の移動距離を最短化する入出庫作業指示が作成可能だ。

さらに、物流倉庫で保管されている商品の出荷傾向と、保管商品の荷姿・重量、在庫ロケーション容積や庫内レイアウトなどの物理的制約を考慮し、保管効率と作業効率をバランスよく向上させる。加えて、直感的に理解しやすいUIを採用することで、作業進捗や要員配置状況、作業量などをリアルタイムに把握することが可能になるため、倉庫内のスループットの向上や計画にそった作業遂行を実現できる。

GROUNDは、これまでトラスコ中山株式会社および三菱倉庫株式会社とそれぞれDyASの共同実証実験に取り組み、両社の物流施設内作業の生産性向上に貢献してきた。

また、現在は日本ユニシス株式会社とともに、DyASを基盤とした物流エコシステムの創出を目指しているという。

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量子コンピュータを活用し物流における効率化を実現 富士通とトヨタ

最近、AIなどのテクノロジーを活用し、物流の負担を削減しようとする取り組みが増えつつある。

富士通株式会社と株式会社トヨタシステムズは2020年9月10日、富士通の組み合わせ最適化問題を高速に解く量子コンピューティング技術「デジタルアニーラ」を活用し、自動車製造に必要な部品の物流ネットワークを最適化する共同実証を実施したと発表した。

本共同実証では、数百を超える仕入れ先から部品を仕入れ、数か所の中継倉庫を通り、数十の工場へ配送する300万以上のルートを探索する問題に対してデジタルアニーラで計算し、トラック数、総走行距離、仕分け作業などを含めた物流コストを最適化している。

その結果、300万以上のルート候補から、全体の物流コストが削減する新たなルートを30分以内で計算できるとわかっている。これまで見つけられなかった有効な物流ルートの発見、積載効率の向上、トラック数や総走行距離の効率化などにより、物流に関わるコストを約2%~5%削減できる可能性があるという。