ファンケルが月間約700時間の業務削減に成功! 大企業にAI導入の成功例を聞いた

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株式会社ファンケル カスタマーサービス本部 業務部フルフィルメント改革推進グループ 籾山瑞季氏、株式会社ファンケル グループIT本部 情報システム部 事業サポートグループ 八木冴子(左から順に)



「AI活用事例を聞く」では、製造や建設、金融、不動産、エンタメなど、さまざまな業界における人工知能(AI)活用について、各企業の担当者に聞いていく。

製造や建設、金融、不動産、エンタメなど、さまざまな業界・業種でAIが活用され始めている。今回、話を聞いたのは化粧品や健康食品で知られる株式会社ファンケルだ。

ファンケルは2019年に、従来使用していたOCRをAIを活用したCogent Labsが提供するAI-OCRサービス「Tegaki」に切り替えることで、ハガキ・FAX受注業務の約50%を効率化、月間約700時間の業務削減を実現したという。


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今回は本AI活用事例について、株式会社ファンケル カスタマー サービス本部 業務部フルフィルメント改革推進グループ 籾山瑞季氏と株式会社ファン ケル グループIT本部 情報システム部 事業サポートグループ 八木冴子氏に、「なぜAI-OCRに踏み切ったのか?」「具体的な効果は?」など、質問をぶつけてみた。

ファンケルはなぜAI-OCRに踏み切ったのか?

──さっそくですが、ファンケルではどのような場面でAI-OCRを活用しているのでしょうか?

弊社では、はがきとFAXの読み取りでAI-OCRを活用しています。以前からOCRを導入していましたが、商品番号や電話番号など数字だけしか認識できませんでした。AIを活用することで、お客様の手書きの文字も読み取れるようになりました。

──まだまだ日本ではAIの導入が進んでいない会社もあるかと思います。ファンケルはなぜAI-OCRに切り替えたのですか?

導入の経緯は、大きく分けて2つあります。1つ目は受注登録業務の内製化です。弊社では、もともとはがきとFAXは月数万件の受注登録業務が発生するため、外部の委託会社様に依頼をしてきました。内製化することで、コストの削減に加え、よりハンドリングの部分もスムーズにいくといった背景がありました。

2つ目はOCR機器の老朽化です。弊社ではすでに十数年以上も同じ機器を使用していました。ちょうどリプレースのタイミングになったので、それにともないAIを活用したOCRを導入したという背景もあります。

──次は、AI-OCRを導入した効果について教えてください。読み取り時間は1件あたり、どれぐらい削減できたのでしょうか?

物にもよりますが、はがきやFAXの読み取りは1件あたり5分ぐらいかかっていましたが、現在では1分ぐらいに短縮できたと思っています。

一方で、2020年1月にリリースした定期の商材の読み取りはもともとお客様の住所やお名前といった文字をすべて手動で登録していたため、10分~15分かかっていたところが、現在では5分ぐらいに削減できたと実感しています。

──では、読み取り業務全体ではどうでしょうか?

新しくAI-OCRを導入した2020年の4月の時点でも、はがきやFAXの受注における作業工数では33%の効率化を実現できました。時間で言うと、月間約500時間の削減にあたります。

最近では、2021年1月に定期商品の読み取りにAI-OCRを対応させました。まだ読み取り対応させていなかった2019年11月と比較すると、全体では50%ぐらい効率化できました。時間で言うと、トータルで月間約700時間削減できたのではないかと捉えています。

これほど効率化できた背景には、AI-OCRから基幹システムのマスター情報をAPI参照して、商品や顧客のチェックを自動化することで、スタッフによる手作業での修正作業をさらに減らせたことが理由にあると思います。

──では、最後に。今後の展開は何か考えられていますか?

定期の商品だと、読み取り範囲の関係で、現状でははがきに記載できる商材数が2〜3商品と決まっています。このような状況を受け、もっと柔軟に対応できるような仕組みを広げていきたいと思っています。

OCRとは少しズレてしまいますが、AI-OCRで業務削減できた時間は外部モールであったり、海外事業向けの受注登録であったりに活用していきたいです。

大企業のAI活用事例の成功例のひとつと言える

ファンケルは従来使用していたOCRを、AIを活用したAI-OCRに切り替えることで、受注業務全体では約50%の効率化、月間約700時間の業務削減を実現した。大企業のAI活用事例の成功例のひとつと言えるだろう。

なお、Ledge.ai編集部では、製造や建設、金融、不動産、エンタメなど、さまざまな業界におけるAI活用について、各企業の担当者に聞いていく「AI活用事例を聞く」を掲載している。第1回目の株式会社コメ兵、第2回目のキユーピー株式会社、第3回目の株式会社JR東日本ウォータービジネスの記事に興味のある方は、以下の記事をチェックしてほしい。


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