画像はYouTubeより
『文系大学生がAI講座受けてみた』では、大学では文学部で日本語学を専攻する文系の私が無料で学べるAI講座をご紹介します。
今回は、資格取得の通信講座を提供する株式会社フォーサイトが公式YouTubeチャンネルで公開しているAI講座「AIのビジネス応用」を受けてみました。
本講座は、技術者ではなくビジネスパーソンを対象とした講座で、ビジネスのいろいろな場面でどのようなAI手法が使えるかを関連付けて学んでいきます。動画は8本で、合計約88分。担当は明治大学 理工学部 情報科学科の高木友博教授です。
カリキュラムは以下のとおりです。
- 01:AIの発展
- 02:顧客の属性を推定
- 03:顧客の行動を予測
- 04:顧客のグループ化
- 05:施策を打つ!!
- 06:「レコメンド」
- 07:言語情報の利用
- 08:総まとめ
まず、01でAIの歴史を簡単に学びます。AIの第1世代、第2世代、そして現在の第3世代がどのようなものなのかがわかります。
02から、いよいよAIとビジネスを関連付けて考えていきます。02では、数字を使って顧客の属性を推測できる「クラス分類」について学んでいきます。
(人間ではできないことも機械は大丈夫)
分類器でクラス分類をすると、性別推定、年代推定、趣味の推定などが可能になると話しています。
03では、顧客の行動を数値で予測する方法を学んでいきます。ここでは、「回帰分析」という手法を使って中古マンションの価格推定、時系列予測、需要予測などができることがわかります。
この予測例は、過去の数回前の自分から一個先を予測するという時系列予測で、黒線が実測値、赤い点線が予測値なのですが、かなり正確に次の自分を予測できることがわかります。
02、03で学んだ機械学習は、その本質についてフォーサイトの「機械学習入門」講座で詳しく紹介されています。
04では、同じような種類を分ける、似た人をまとめる、「クラスタリング」という手法を学びます。
クラスタリングには、階層型クラスタリングと非階層型クラスタリングがあり、それらが具体的にどのようなものなのかがわかります。階層型は、樹形図を使います。
この赤線をどこに引くかで結果が変わります。
非階層型は、重心を求めてそれに最も近いように空間を分割する作業を繰り返すことで似た人をまとめます。
04では、02で学んだ「クラス分類」と「クラスタリング」の違いについても言及していて、この2つの手法は使う場面が違ってくると話しています。
また、高木教授は、AIで「顧客の様子を把握する」ことの本質が、プロファイリングとターゲティングであると話しています。
05からは、ターゲティングした相手にどうやって施策を打つのかを学びます。
施策を打つ方法として、06では、「レコメンド」を紹介しています。レコメンドには「コンテンツベースフィルタリング」と「協調フィルタリング」の二種類の方法があり、それらを説明しています。
コンテンツベースフィルタリングは、顧客が買っていた商品の内容を見て推薦する方法ですが、ユーザプロファイルが性格になればなるほど推薦結果が出にくくなるという問題点があることも言及しています。
協調フィルタリングは顧客が買ったものと同じものを買った別の人がその後に買ったものを顧客に推薦する方法です。これは十分なデータがあるという条件付きで非常に正確に動くと話しています。
「レコメンド」という施策の本質はターゲットの特徴を捉えてアプローチすること、施策の確度を高めることだと話しています。
また、クラスタリングとオーディエン拡張にも触れながら、類似度の計算に注目しています。
07では、数値ではなく言葉を利用して解析をする方法を学びます。言葉の頻度を並べることで、数値と同じような解析をすることができると話しています。02や03の動画で話していたことはすべて言語にも適用できるといいます。
語の出現頻度から、言葉の概念の関係まで計算できることも説明されています。
その他にも、語のポジティブ度ネガティブ度を数値で表した辞書や顧客のプロファイリングについて話しています。
07で学んだ自然言語処理は、フォーサイト「自然言語処理」講座で基礎知識から深層学習による自然言語処理まで詳しく紹介されています。
08ではビジネスにおける科学が他にもあることを話し、カリキュラムの流れをまとめています。
今回は、ビジネス向けの講座を受けてみました。機械学習や自然言語処理を使う買うことで、顧客がほしいと思いそうなものをおすすめできたり、言葉を解析して口コミの分類ができたりするのは、ビジネス面では非常に有効活用できそうだなと思いました。
内容は少し複雑なところもありましたが、表や図をたくさん使って説明されるのでわかりやすかったです。
興味のある人はぜひチャレンジしてみては!