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富士通株式会社は5月18日、Amazon Web Services(AWS)と金融および小売業界のDX(デジタルトランスフォーメーション)加速に向けて、戦略的協業に合意したと発表した。2社の協業はモビリティ業界に続き2例目となり、富士通はAWSクラウドを活用して同業界向けサービスを開発するほか、AWSクラウドの導入支援を手がけることになる。
AWS有資格者を3年間で600人増員
近年、金融および小売業界においては、ビジネスモデルが大きく変化し、既存システムの見直しを進める一方、新たなサービスやビジネスの迅速な立ち上げによるDXが強く求められている。
さらに、小売をはじめとするさまざまな事業者が提供するアプリケーションに金融機能が組み込まれるサービスが急速に普及しており、金融と小売のクロスインダストリーなシナジー効果が期待されている。
これらを実現するため、クラウド活用による新サービスの迅速な立ち上げや、サービス利用の手軽さ、利便性がますます重要になっている。
本協業では、富士通の同業界向けソリューションを核にした新たなサービスをAWSクラウド上で開発・展開し、それらをAWS Marketplaceを通じて国内外に提供する。
また、AWSのプロフェッショナルサービスを活用し、システム開発・運用や既存システムのモダナイゼーションの支援、そして同業界担当のシステムエンジニアに対しAWS認定資格保有者を増強する人材育成を実施し、3年間で600人の増員を目指すという。
これにより、これまで培ってきた富士通の業種・業務の技術やシステム開発のノウハウを活かして顧客のAWSクラウド活用を支援するとしている。
金融・小売企業の基幹業務システム開発、DX支援サービスなど提供
本協業は、2021年5月にAWSと締結したモビリティ業界での協業から金融および小売業界へ領域を拡張するものであり、他業界にも順次拡張予定だ。
本協業の概要は以下のとおり。
- ニューノーマル時代に対応した金融および小売業界向けのフルマネージドサービスの開発と展開:
富士通が提供するニューノーマル時代の行動変容に対応した金融ソリューション「Finplex(フィンプレックス)」や小売業界向けDX支援サービス「Brainforce(ブレインフォース)」などを核として、クラウド基盤からサービスまで、すべてパッケージされたフルマネージドサービスを、AWSクラウドを活用し開発する。
また、開発したサービスは富士通からの提供に加え、AWSMarketplaceを通じて、国内外に3年間で10件のソリューションを目標に展開していくとしている。 - AWSクラウドやコンサルティングサービスを活用した基幹業務システムの開発・運用サービスを提供:
AWSクラウドを導入済、または新しくAWSクラウドを導入する金融および小売業界の企業に対して、富士通のシステムエンジニアがAWSのソリューションアーキテクト、プロフェッショナルサービスと連携し、基幹業務システムの開発・運用を推進し、既存システムのモダナイゼーションおよび内製化支援サービスを順次提供する。 - AWS認定資格の保有者育成による、AWSクラウドを活用したシステム開発体制の強化:
富士通の金融および小売業界を担当するシステムエンジニアを対象に、現状約280名のAWS認定資格保有者を、3年間で新たに600名育成し、AWSクラウドを活用したシステム開発体制を強化する。AWSクラウドにおけるシステム開発のプロフェッショナルを増強することで、DXを実現するシステム提供を加速する。
本協業に関して、富士通株式会社 執行役員 Executive Vice President 山口裕久氏は以下のコメントをしている。
アマゾンウェブサービスジャパン合同会社 執行役員パートナーアライアンス統括本部長 渡邉宗行氏は以下のコメントをしている。
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