富士通、AIで洪水時の水位を6時間先まで予測 標準的な方法と同等の精度を発揮

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画像はぱくたそより

富士通株式会社は、過去の雨量や水位データと気象関連機関が配信する数時間先の気象データ(降雨予測)から、洪水時の河川水位を予測するシステム「FUJITSU Public Sector Solution Social Century Resilience AI水管理予測システム powered by Zinrai(AI水管理予測システム)」を販売開始した。

本技術は比較検証により、流量観測などのデータを用いた標準的な水位予測の方法と同等の精度が得られることを確認しているという。

本システムは、富士通と株式会社富士通研究所が共同で開発した、流域における雨水の流出を表現した流出関数法をベースに、過去の雨量や水位データを機械学習した水位予測モデル(数理モデル)を使用。学習モデルとなる同水位予測モデルを組み込み、現在の雨量や水位データ、予測雨量をもとに、10分ごとに6時間先までの水位をリアルタイムに予測できるとしている。

河川改修や洪水などにともなう環境変化に対しても、変化後の少量の雨量や水位のデータを再学習させることで、水位予測モデルを短期間で最適化できる。

また、本システムは気象庁から受信する予報雨量の位置情報をもとに関連雨量局地点の予測雨量にリアルタイムで変換できる「気象庁雨量データ変換機能」を搭載している。本機能の予測雨量をもとに、AI予測機能を用いて水位を予測できるという。

さらに、データベースから取得した水位予測結果を自動でグラフ表示できる「コンテンツ作成機能」も搭載した。各水位局の基準水位の超過予測を危険度予測マップとして表示することで、現場出動などの対応や避難勧告発令に向けた迅速および的確な意思決定を支援するとのこと。

富士通は本システムにより、自治体では迅速かつ的確に現場出動や避難勧告発令の意思決定が可能になるほか、企業では自社の水防活動など、水害における防災や減災に向けた取り組みを大幅に強化できるとしている。

近年、ゲリラ豪雨や台風などにより河川が氾濫するなど深刻な被害が多発している。特に自治体の管理する中小河川では集中豪雨の影響で、水位が急激に上昇し、短時間で被害が拡大する災害が発生しており、水害対策が急務となっている。

中でも、地域住民に対して避難指示を実施する自治体では気象予測のみならず、今後の降雨による河川の状況変化をすぐに把握するニーズが高まっているという。

従来の河川水位予測では、河川測量データや過去の雨量および水位、流量などの観測データを用いていたが、中小規模の河川や水位計を新たに設置した場所では、データ量の不足から水位予測が困難だった。富士通はこのような課題を解決するために、本システムを開発したとしている。

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