富士通、1つの教師データをもとに作業を検出 精度は90%以上

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株式会社富士通研究所は2月18日、製造業などの作業現場における一連の作業映像から、「部品を取る」「ねじを締める」「カバーを取り付ける」など、個別の要素作業を自動検出する技術を開発したと発表。

従来、工場などの作業現場では、作業員が作業している様子を撮影し、その映像から各要素作業における問題点の洗い出しおよび改善を実施し、生産性や品質の向上を図っていた。しかし、映像から各要素作業にかかる時間を取得するために、手作業で各要素作業の区間を分割する必要がある。たとえば、20分の映像に対して1時間以上の時間がかかるなど、実際の映像時間に対して数倍から数十倍の工数がかかることが課題だったという。

富士通研究所はこのような課題を受け、映像から人の動きを検出する技術を拡張し、1人が実施した1回分の作業映像と、その中の要素作業ごとに分割したデータを教師データとして、毎回の動きのばらつきや作業員ごとの動きの違いを考慮したAIモデルを構築。本モデルを用いて同一作業を撮影した別の映像に対しても、最適な要素作業を自動検出できる技術を開発した。

今回、ネットワークプロダクトの製造を担う富士通アイ・ネットワークシステムズ株式会社の山梨工場において、部品セット、組み立て、外観検査の3つの作業工程の分析に開発した技術を適用し、評価を実施。いずれの工程も、1人分の要素作業の分割データを学習させるだけで、同一作業を撮影した別の映像でも、作業員や撮影環境などの差異を吸収しつつ、90%以上の精度で要素作業を自動検出できたという。また、これまで手作業で実施していた分割作業が不要になり、大幅に作業時間を短縮できたとする。

富士通研究所は今後、本技術を富士通株式会社のAI技術「FUJITSU Human Centric AI Zinrai」として、製造業に加え、物流や農業、医療などさまざまな現場で実証を進め、2021年度内の実用化を目指すとしている。

>>ニュースリリース

富士通とトヨタ、物流コストを最大5%削減か 量子コンピュータ技術活用で

富士通グループは、AIや疑似量子コンピュータ技術などの最先端のテクノロジーを活用し、さまざまな業界の業務効率化にアプローチを試みている企業のひとつと言える。

少し前の事例だが、富士通株式会社と株式会社トヨタシステムズは9月10日、富士通の組合せ最適化問題を高速に解く量子コンピューティング技術「デジタルアニーラ」を活用し、自動車製造に必要な部品の物流ネットワークを最適化する共同実証を実施したと発表。

本共同実証では、300万以上のルート候補から、全体の物流コストが削減する新たなルートを30分以内で計算できるとわかった。これまで見つけられなかった有効な物流ルートの発見、積載効率の向上、トラック数や総走行距離の効率化などにより、物流に関わるコストを約2%~5%削減できる可能性があるとしている。

そのほか、詳細は以下の記事をチェックしてほしい。