富士通、人の集中度を推定するAIを開発 精度は85%以上

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画像は集中状態に現れる人共通の特徴抽出による集中度推定方式

株式会社富士通研究所は3月1日、人がさまざまなタスクを実行しているときの集中度を表情筋の動きの変化から、集中時・非集中時の顔面の状態の違いとして検出することで高精度に捉え、定量化できる集中度推定AIモデルを開発したと発表。

従来、AIを活用して集中度を定量化するモデルは、eラーニングなど特定のタスクを実行している人の表情や振る舞いを学習することで作成していた。しかし、表情や振る舞いは、従事するタスクや育った文化的背景により異なるため、作成したモデルは個別のモデルとならざるを得ない。さまざまな場面に応じて個別にAIモデルを開発する必要があったという。

今回、同社は表情筋に対応した顔面の各部位の動作単位であるAction Unitを世界一の精度で検出するとうたう独自の技術を活用。口もとに力が入るなど数秒程度の短期間の変化や、目を凝らして一心不乱に見つめているなど、数十秒にわたる長期間の変化をAction Unit〔※〕ごとに最適化された時間単位で捉える手法を採用した。その結果、集中、非集中状態の違いをそれぞれの文化的背景の影響を受けにくい共通の特徴として抽出することに成功したとのこと。

※IEEE International Conference on Automatic Face & Gesture Recognition(FG 2020)において開催されたAction Unit検出精度を競うコンペティションで1位を獲得したAction Unit認識技術のこと。

日本に加え、多様な地域の人のデータ収集が可能な米国および中国の延べ650人で、タスク固有の振る舞いが生じないように設計した探索や記憶をする課題を実施。機械学習用のデータセットとして構築することで、特定のタスクに依存しない、汎用的な集中度推定AIモデルを開発したという。実際、この集中状態のデータセットを用いて本モデルの有効性を検証したところ、85%を超える高い精度で、集中度を定量的に推定できたとする。

富士通研究所は本技術により、オンラインの授業や営業活動などにおいて、参加者の集中状態のデータを活用したAIで支援することで、人々のタスクや業務の効率化、生産性の向上が可能になるとしている。

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