AIの「ゴッドファーザー」ジェフリー・ヒントン氏、Googleを退社していた

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AIの第一人者であり「ゴッドファーザー」と呼ばれたジェフリー・ヒントン氏がGoogleを退職していたことが、米ニューヨーク・タイムズの同氏へインタビューで明らかになった。2023年4月にGoogleのスンダー・ピチャイCEOに連絡し、辞意を伝えていたという。

ニューヨーク・タイムズのインタビューで、ヒントン氏は、生成AIの普及で偽の画像や文章が氾濫し、真実がわからなくなる可能性があると指摘。MicrosoftやGoogleといったテック大手が止めることのできない開発競争に陥っていると発言。人々の雇用への影響にも触れ、「AIが単調でつまらない仕事を奪い、それ以上の仕事も奪うかもしれない」と述べた。

また、長期的なリスクとして、完全に自律したAI兵器が生まれる可能性にも言及し、「多くの人がはるか先の話だと考えていた。私も30、50年、さらに先のことだと考えていた。今はもはやそうは思わない」として、同士の想定以上にAIが進化しているとした。

ヒントン氏は同日にツイートし、「NYTは今日、私がグーグルを批判するために退社したと示唆した。実際には、AIの危険性についてグーグルに与える影響を考慮せず話せるように退社した」と表明。一方で、「グーグルはとても責任ある形で行動してきた」とも述べ、AI全般について警鐘を鳴らす姿勢を示した。

同氏は、2012年にニューラルネットワークのアーキテクチャであるAlexNetの論文を教え子らとともに発表。これにより「ニューラルネットワーク」という言葉の名付け親となり、AIの「ゴッドファーザー」として知られた。2013年からGoogleに務め、10年以上にわたってAIの研究を行ってきた。