グーグル、AI団体に資金提供を拒否される 著名なAI研究者解雇「危険な前例を作った」

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画像はBen Nuttall Follow「Google HQ」より

米グーグル(Google)は、人工知能(AI)の多様性の向上を目指す「Black in AI」「Queer in AI」「Widening NLP」の3つの非営利団体に資金提供を断られた。米WIREDが報じている。

>>米WIREDによる報道(英語)

3団体が現地時間5月10日に発表した共同声明によると、資金提供を拒否した理由は、グーグルの倫理的AIチームの共同リーダーを務めていたティムニット・ゲブル(Timnit Gebru)氏およびマーガレット・ミッチェル(Margaret Mitchell)氏、採用担当者のエイプリル・カーリー(April Christina Curley)氏の扱いに抗議するためという。

共同声明のなかで、3団体は「ここ数カ月のグーグルの行動は、多大な被害をもたらし、われわれのコミュニティ全体に影響を与えました。被害をもたらすだけではなく、どのような種類の調査や擁護、報復がわれわれのコミュニティで許容されるかについて、危険な前例を作ってしまったのです」とグーグルを批判している。

米WIREDの報道によると、3団体がスポンサーからの資金提供を断るのは初のことという。

グーグル、著名なAI研究者2名解雇の波紋収まらず

ティムニット・ゲブル氏はグーグルの従業員4人を含む計6人とともに、同社の自然言語処理モデル「BERT」のような、大規模な言語モデルの倫理的な問題を取り扱う論文を共同執筆していた。ティムニット・ゲブル氏は上司から論文の撤回を求められ、同僚らに送るメールのなかで状況を説明したところ、グーグルから解雇されるにいたったとされる。

マーガレット・ミッチェル氏はティムニット・ゲブル氏に対する差別的な扱いを示す例を見つけるために自動化したソフトウェアを使用し、自身が過去にやり取りしたメッセージを検索していたこともあり、同じく解雇されてしまった。

これらの解雇の影響は計り知れず、グーグルの技術者たちが辞職したり、複数の研究者たちが同社の開催する招待制のワークショップ「Machine Learning and Robot Safety Workshop」をボイコットしたり、グーグルでAI研究チームのマネージャーを務めていたコンピュータ科学者のサミー・ベンジオ(Samy Bengio)氏がアップルに移籍したりするなど、大きな波紋が広がっている。