新型コロナウイルスの影響もあり、従来の出社して仕事するスタイルから、在宅勤務へと変化した企業は少なくない。なかでも都心にオフィスを構えている企業の一部では、オフィス自体を縮小した例もあるほど。
そんななか、ニューノーマル時代にあわせ軽井沢に「サードオフィス」という新しい概念のオフィス事業を提供しているのが株式会社フォレストコーポレーションだ。軽井沢は都心からおよそ1時間で行ける立地。同社のサードオフィスは、単純に「軽井沢にオフィスを作った」だけでなく、IoTを活用し、快適な環境を提供していることが最大の特徴だ。
建物内の温湿度/CO2はセンサーで測定 来客時のお茶出しはワンボタンで
フォレストコーポレーションのサードオフィスをスマート化させられたのは、アステリア株式会社が提供するAI/IoTプラットフォーム「Gravio」を導入したからだ。
Gravioは、汎用的なカメラや各種センサーなど、さまざまな入力デバイスとの連携を手軽に実現するソフトウェア。IoTとしての側面だけでなく、AI画像推論を活用した人物検知などにも利用できる。
このGravioを使ったことで、フォレストコーポレーションのサードオフィスでは「建物内の環境情報をBIツールを使ったダッシュボードでリアルタイムに可視化」「湯茶の提供や別スタッフの呼び出しなど、社員間の情報伝達をワンボタン化」「セキュリティの向上」を実現している。
フォレストコーポレーションのサードオフィスの“売り”は、「快適なオフィス環境」だ。快適性を数値化するために、従来は温湿度を計測しグラフ化していた。しかし、建物内を巡って記録し、オフィスに戻ってPCにデータを入れる作業が毎朝発生していた。そこでGravioを活用したことで、人手による環境測定業務を自動化した。同スマートオフィスでは、温度、湿度、大気圧、CO2を測定するセンサー、人感センサーなどを導入しており、測定データはリアルタイムに表示されている。測定の精度や頻度が高くなっただけでなく、人による作業ではなくなったため“欠測”といったヒューマンエラーも防止できるようになったという。
設置しているセンサー
ダッシュボードでリアルタイムに可視化
また、会議室にはワイヤレススイッチを設置したことで、来客対応時の「お茶やコーヒーを出す」といったスタッフ間での情報伝達もワンボタンになったそうだ。ワイヤレススイッチを押すとLINEに通知
通知が来たLINEの画面
そして、オフィス棟から離れた場所に防犯センサーを設置したことで、来客やスタッフの帰社などを事前に察知できるようにもなっている。これは、防犯などのセキュリティ面での向上にも貢献しているとのこと。来客や防犯センサーとしてライトを活用
これらのスマートオフィス化にあたって、フォレストコーポレーションの担当者は「Gravioを組み合わせることで、より安全で、顧客満足度の高いオフィスを実現でき、価値をさらに高める存在になっています。また、蓄積されつつあるデータを分析することで、今後の設計や工法に役立てることを期待しています」とコメントしている。