人手では2時間程度かかる計画を十数秒に 1日の運転コストを3%削減、AIで火力・水力発電の運転計画を最適化

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株式会社グリッドは3月7日、北海道電力株式会社とAI(人工知能)最適化技術による、火力・水力発電の運転計画最適化の開発を開始していると発表した。

北海道電力では、脱炭素社会の実現に向けて火力発電による発電コストを最小化するために、水力発電によって火力発電量を抑制させる運転計画最適化の取り組みを実施している。

しかし、発電機の運転計画は膨大な組合せ数におよび、制約条件を考慮しながら策定しなければならない。従来の人手によるオペレーションでは属人的な意思決定となりがちで、業務負担が重いことが課題だった。

水力発電の計画は各発電機によって水力効率や使用量が異なるため 火力発電力を抑制する時間にあわせて、効果的に水力機を運転することは難度が高く、CO2(二酸化炭素)排出量削減のさらなる追求が困難だった。

このような課題を解決するためにグリッドの社会インフラに特化したデジタルツイン・AI最適化技術と、北海道電力のエネルギーノウハウを融合し、2021年からAIによる火力・水力発電運転計画最適化・自動化の実証実験を進めている。

すでに実証実験では、人手では2時間程度かかる計画を十数秒で策定できること確認している。立案した計画はすべての制約条件を満たしながら、1日の運転コストを3%削減できるという。火力発電コストの低減とともにCO2削減にも貢献できることが期待される。

今後、グリッドは2025年の本番運用に向けて、さらなる最適化の精度向上とともにシステム開発を目指し、発電 計画最適化によるCO2削減を最大化し、脱炭素社会に貢献するとしている。

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