小学校にAI教育が導入される時代に、暁秀初等学校3年生からAI授業を開始

このエントリーをはてなブックマークに追加


株式会社グルーヴノーツは9月29日、学校法人加藤学園が運営する私立小学校の加藤学園暁秀初等学校に「AI教育支援サービス」を導入し、2020年秋学期からコンピュータ科で人工知能(AI)・プログラミングの授業を本格的に開始すると発表した。

なお、同サービスは、経済産業省が実施する「令和元年度補正 先端的教育ソフトウェア導入実証事業」(EdTech導入補助金)に採択された。

コンピュータ・リテラシー教育にも早くから積極的

加藤学園暁秀初等学校は、静岡県沼津市大岡自由ケ丘にある子どもの個性や才能に応じた教育をするとうたう、国内初のオープンプラン・スクール。「21世紀に生きる創造性豊かなたくましい人間づくり」を教育理念に掲げ、コンピュータ・リテラシー教育にも早くから積極的に取り組んでいるという。

グルーヴノーツは、AIや量子コンピュータサービスの開発を手がける実力をもとに、テックパーク教育事業として、社会で活用される最新テクノロジーを正しく理解して好奇心をもって学べる独自の教育プログラムの開発に取り組んでいる。

3〜6年生に生活や地域の問題をAIで解決目指す授業開始

加藤学園暁秀初等学校とグルーヴノーツ・テックパークは2019年に協働し、テックパークが開発するオリジナルの教材やAIツールを用いた授業の実証実験などを実施。日常にあるAIの体験にとどまらず、「AIを理解し、使いこなして、ものやサービスをつくる」という具体的な活動を通じて、好奇心や創造性を育てるテクノロジー教育のあり方を探究したという。

このような取り組みの成果をもとに、テックパークはさまざまな教育機関に、AI・IT授業の設計・実施や教員研修などを総合的にサポートする「AI教育支援サービス」を提供している。

今回、加藤学園暁秀初等学校はAI教育に関する授業科目を新設するにあたり、テックパークをパートナーにAI教育支援サービスを採用した。3〜6年生を対象に、社会とのつながりのなかで自分たちの生活や地域の問題をAIで解決することを目指す「AI×探究学習」の授業を開始する。

「AIリテラシーと創造性が必須能力になる」

加藤学園暁秀初等学校 総務部長・ICT コンピュータ専科教諭 中原悟氏は、本発表に際して「将来AIを活用して新しいサービスを生み出したり、AIを活用して複雑な問題を解決する、AIリテラシーと創造性が必須能力になると考えます」と述べている。コメント全文は以下のとおり。

──中原悟氏

「子どもたちの将来に、AIは必要不可欠なテクノロジーの1つです。将来AIを活用して新しいサービスを生み出したり、AIを活用して複雑な問題を解決する、AIリテラシーと創造性が必須能力になると考えます。そこで、本校の教育理念である『創造性』を子どもたちに育むためにも、小学校段階から、AIブロックに触れ、実験し、プログラミングしながら、自分たちの生活に必要なサービスを創り出す学習経験が必要と考えました。

そこで、今回、グルーヴノーツ社の『AI教育支援サービス』を、本校ICTコンピュータ専科の高学年のカリキュラムに位置づけ、『AI×探究学習』として授業を行なっていきます。『AI教育支援サービス』は、AIに関する基礎知識や実際の活用事例、プログラミングの組み方などを、動画や学習シートなど学べるしくみになっています。そして、子どもたちは学習したことをもとに、実際にプログラミングで確かめる経験を通して、必要な概念をつかみとり、自然とAIブロックを使いこなすことができるようになります。

本校は、このサービスと教材を活用させていただくことで、子どもたちの知的好奇心と探究心、そして、自分たちの手で未来を切り拓く『創造性』を涵養(かんよう)していきます」

「AIリテラシーと創造性が必須能力になる」

株式会社グルーヴノーツ 代表取締役会長 佐々木久美子氏は「実際の教育現場では、教える側の大人がテクノロジーの本質をきちんと理解する間もないまま、子どもたちにテクノロジーを教えざるをえない状況になってしまっていることもあるのではないでしょうか」と投げかけ、同社の理念に言及する。コメント全文は以下のとおり。

──佐々木久美子氏

「『AIって聞いたことある人』と質問すると、大人から小学生の子どもまで、ほとんどが『聞いたことがある』と答えると思います。2020年春からは、小学校でプログラミング教育の必修化もはじまりました。

ただ、実際の教育現場では、教える側の大人がテクノロジーの本質をきちんと理解する間もないまま、子どもたちにテクノロジーを教えざるをえない状況になってしまっていることもあるのではないでしょうか。テックパークは、そうした子どもを取り囲む教育機関や先生たちを手助けできるよう、これまで培った教育ノウハウを活かして、AIやITを正しく教えられる教材や教え方を習得できるトレーニング研修など、コンピュータ入門から上級クラスまでの様々な現場の悩み・課題に応じたプログラムを提供してきました。

また、テックパークでは、子どもたちが『ワクワク』できることを何より大切に、遊びのなかで自然とテクノロジーの使い方を身に着けていくという新しい学びのカタチに取り組んできました。テックパークで遊ぶ子どもたちは、AIの仕組みや得意・不得意といった特徴、機能を理解することで、『AIは、私たちの生活を楽にしたり、世の中を便利するテクノロジー』であることを学びます。

自分や誰かの豊かな社会のため、関わる人々がワクワクできるように、テクノロジーをどう使うのか、日々学んで専門性を磨き、また、課題に立ち向かう勇気をもった素晴らしい子どもたちを育む支援ができることを、大変うれしく思っております」

※公開当初、記事の一部で氏名を誤っておりました。お詫びして修正いたします。(9月29日 19時37分)

>>ニュースリリース

シャープ、小学校でAI教育を実施 ロボホンのカメラで画像認識を体験

シャープの「RoBoHoN(ロボホン)」(公式サイトより)

小学校におけるAI教育と言えば、シャープは2月10日から3月4日までの期間、東京都小金井市立前原小学校(5年生を対象)において、コミュニケーションロボット「RoBoHoN(ロボホン)」を活用した小学校向けAI教育プログラムの実証授業を実施したことが思い出される。

実証授業では、ブロック状のオブジェクトの組み合わせで、ロボホンの動作や対話プログラムを作成できるソフトウェア「ブラウザ型プログラミングツール」を活用する。また、グーグルが提供するディープラーニングフレームワーク「TensorFlow Lite」を本ソフトに組み込むことで、ロボホンのカメラ機能を使ったAI画像認識(ディープラーニング解析)を体験できる。

児童は、自身の表情や特定の物体などをロボホンのカメラで連続撮影し本ソフトに学習させる。これにより、類似の画像をロボホンのカメラで認識させると、特定の返答や動作をするプログラムを作成できる。さらに、一連のプログラム作成体験を通して、AIについての理解を深めるとともに、児童自身がAIの利点や課題を考える機会を提供するとした。