株式会社博報堂プロダクツは5月10日、英国Synthesia社のAIエンジンを使った多言語動画作成ソリューション「AIマルチリンガルスタジオ」の提供を開始したと発表した。キーボードで話させたい言葉を入力するだけで、アバターが各国の言葉でしゃべっているかのような動画が作成できる。
「AIマルチリンガルスタジオ」は、多言語のさまざまな原稿を元に、あたかも本人が喋っているかのような動画を生成するソリューションだ。
ユーザーは規定原稿を日本語で読む、1時間程度の動画収録をするだけ。セキュアな環境で管理されている専用AIエンジンが動画を学習し、その人の話しているときの表情や唇の動き、眉などを自動で動かすためのベースが完成する。
AIアバター完成後は、語らせたい言語の原稿をキーボードで入力したり、ナレーター等が話した音声データを合成したりすることで、言葉に合わせて口を動かすリップシンク動画を生成する。
多言語のテキスト・音声データ入力するだけで動画が生成できるため、再撮影費用の削減など、運用次第で大幅なコストカットも期待できるという。
またテキストデータを加工すると、より自然な発音を生み出せるという。
「AIマルチリンガルスタジオ」の展開イメージは以下のとおり。
- インバウンド対応の商業施設やミュージアム:外国人観光客が多く利用する商業施設や免税店、ミュージアムなどのエンタメ施設はもちろん、空港や主要駅などのデジタルサイネージにおけるインフォメーションツールとして活用できる。利用者に応じて言語を切り替え、多言語で施設案内をする動画を制作することでリアルの体験価値を高めるという。
- オンライン発表会/カンファレンス:トップメッセージを多言語で伝えるオンラインカンファレンスにて、字幕対応ではなく、各国の言葉で直接話しかける映像を制作することで、より親しみやすく理解の得られやすい演出が可能となる。
- タレントのグローバルプロモーション:SNSを活用したタレントの動画コミュニケーションのグローバル素材として、追加撮影不要でスピーディーに多言語対応動画を作成できる。
- インナー向けセールス勉強会/デジタル動画カタログ:世界中の現地販売員に新商品や販売ノウハウを紹介する際、字幕ではなく現地の言葉で説明することで、より理解浸透させやすく、成果に貢献する。自分たちに寄り添ってくれるブランドイメージを形成しつつ、伝わりやすいメッセージとして機能できる。
他にも海外支社のスタッフとの意思疎通や、外国からのWebサイト訪問者への対応にかかる悩みを解決しうるとのことだ。
対応言語は以下のとおり。女性向け音声は52言語、男性向け音声は46言語に対応している。
女性向け音声:アラビア語/ベンガル語/ブルガリア語/カタルーニャ語/中国語(中国)/中国語(香港)/クロアチア語/チェコ語/デンマーク語/オランダ語/英語(オーストラリア)/英語(カナダ)/英語(イギリス)/英語(アイルランド)/英語(インド)/英語(アメリカ)/フィリピン語/フィンランド語/フランス語(カナダ)/フランス語(スイス)/フランス語(フランス)/ドイツ語(オーストリア語)/ドイツ語(スイス)/ドイツ語(ドイツ)/ギリシャ語/ヘブライ語/ヒンディー語/ハンガリー語/インドネシア語/イタリア語/日本語/韓国語/ラトビア語/マレー語/ノルウェー語/ポーランド語/ポルトガル語(ブラジル)/ポルトガル語(ポルトガル)/ルーマニア語/ロシア語/スロバキア語/スロベニア語/スペイン語(スペイン)/スペイン語(ラテンアメリカ)/スペイン語(メキシコ)/スウェーデン語/タミル語(インド)/テルグ語(インド)/タイ語/トルコ語/ウクライナ語/ベトナム語
男性向け音声:アラビア語/ベンガル語/ブルガリア語/カタルーニャ語/中国語(中国)/クロアチア語/チェコ語/デンマーク語/オランダ語/英語(オーストラリア)/英語(イギリス)/英語(アイルランド)/英語(インド)/英語(アメリカ)/フィリピン語/フィンランド語/フランス語(カナダ)/フランス語(フランス)/ドイツ語(スイス)/ドイツ語(ドイツ)/ギリシャ語/ヘブライ語/ヒンディー語/ハンガリー語/インドネシア語/イタリア語/日本語/韓国語/ラトビア語/マレー語/ノルウェー語/ポーランド語/ポルトガル語(ブラジル)/ポルトガル語(ポルトガル)/ルーマニア語/ロシア語/スロバキア語/スロベニア語/スペイン語(スペイン)/スペイン語(メキシコ)/スウェーデン語/タミル語(インド)/テルグ語(インド)/タイ語/トルコ語/ベトナム語
公式サイトによると、1年間のライセンス料含むアバター1体あたりの制作費は200万円〜、動画生成は15秒1本あたり15万円〜とのことだ。
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