耳の映像だけで人物を特定!?イギリス警察が使う「人間を超える」顔認証システムHALOがすごそう

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こんにちは、大嶋です。

いま顔認証技術の向上がすごいみたいなんです。いろいろなところで活用されているらしいのですが、特に盛り上がりを見せているのは防犯カメラの市場なんだそう。

今回はそんな中でもイギリスの警察が使い始めた超ハイテク顔認証システムHALOをご紹介します。

画像が荒くても、顔の一部の画像だけでも人物の特定が可能で、さらにはアプリとしてスマホに落として利用できるという心底驚異的なものです。

イギリスの警察が使う顔認証システムHALOについて

HALOはイギリスの警察が主に防犯カメラの映像から犯人を特定するために使っている顔認証システムで、画像解析会社のAcume Forensic社が開発したものです。

他の顔認証システムと同様に、対象者のあらゆる角度の写真を撮影。そのデータから肌の色や質感、目、鼻、口など、顔の特徴的な部分を学習していくわけですが、HALOのすごいところは識別できる特徴の数。なんと一人ひとりの顔の100万以上もの特徴を識別できるのだとか。

犯罪者を識別できるっていうのがどれだけ役立つの…?というのも小さな疑問として出てきそうですが、日本でも犯罪者の再犯率は検挙者のうち48%と非常に高いんです。日本でこの数字ということは、海外ではなんとなくもっと高そう…。大いに活躍の場がありそうです。

圧倒的な識別能力と実用性

HALOは顔のごく一部から人物を特定できるので、防犯カメラの画質が荒くて顔の一部分しか認識できない場合や、容疑者が横向きに映っていたり、何かの陰になっていたりして顔が全て映っていない場合でも認証が可能です。

これをすでにデータを取得しているすべての犯罪者に適用できるわけですから、今後利用が進めばかなり捜査がスムーズに進みそうです。

また、この認証システムの他と違うところは、スマートフォンのアプリとしても動作するということ。つまり、その場で識別が出来るという点です。解析自体はクラウドで行なっているということでしょう。

その場で前科があるかどうか調べられるので、たとえば事情聴取や任意同行に応じない人に関する詳細なデータを取得することが可能になります。

今のところは防犯カメラの映像での認証がメインだそうですが、今後は全ての警察官がHALOのアプリを持ち歩くことになるかもしれません。

信頼性とデメリットは?

防犯に使われているシステムということで機密性が高いためか、具体的な数値や精度については残念ながら公表されていません。

ただ、今のところ顔認証システムではNECのものが一番精度が高いと言われており、エラー率はおよそ3.1%。

この結果はNECの技術で取得できる全ての顔の特徴を加味したものなので、一般のシステムより多くの特徴点を判別出来るHALOの方が、全体的な精度は高いのかもしれません。

しかし、顔の一部のみのデータで認証を行う場合に、その結果がどの程度の信頼性をもつのかという点は非常に気になるところです。

また、注意しなければならない点として、顔の元データさえあれば防犯カメラに映っている一般の人々の監視にも使用できてしまうということ。

行き過ぎた捜査によってプライバシーが侵害される可能性への対応は必要になるかと思います。

使い方によっては大きなマーケットデータに

この技術を横展開すれば、大きなマーケットデータになることは間違いありません。

真偽のほどは分かりませんが、海外では人体の中にICチップが埋め込まれ始めている…なんて話もあるように、個人認証システムの導入は常に社会の大きな関心ごと。

免許の更新ぐらいの頻度で、顔写真を撮影しデータ化することができれば、いつ誰がどこにいったのか、どういった属性の人がお店に来ているのかなどを簡単に把握できるようになります。

結構怖いですが、ありえない話ではないと思います。そんなことが技術的には無理ではない…ということをHALOの事例で改めて認識しました。

悪用される可能性もある以上慎重にならなければなりませんが、今後様々な用途に活用していくためにも、イギリス警察にはHALOの情報を他の機関と共有してほしいものです。

それでは。