株式会社DATAFLUCTは12月4日に、生産現場の衛星画像データのモニタリングや市場取引価格のAI予測によって、野菜の収穫時期を予測し安定供給をサポートする「DATAFLUCT agri.」を2020年2月から開始すると発表した。
この発表にともない、サービスの満足度および予測精度向上のため、契約栽培によって仕入れをする食品加工業界、外食業界、青果専門商社の企業を募集している。
ちなみに、DATAFLUCT社は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の知的財産やJAXAの業務で得た知見を利用して事業をおこなう、JAXAの職員が出資し設立したベンチャー企業だ。
野菜の安定供給をサポートし、仕入れコストを抑える
「DATAFLUCT agri.」は契約栽培による仕入れ状況と、市場の仕入れ状況をモニタリングする。衛星画像データを用いて産地の生産状況から収穫時期を割り出し、市場取引価格データと気象データを活用して将来の市場取引価格を予測することで、仕入れコストの削減を目指す。
主な機能は以下の2点。
●衛星画像データの解析
契約農家が栽培する野菜の「収量予測」「収穫日予測」「生育状況モニタリング」「異常検知」を可能に。現地の農家と直接コミュニケーションをとらずに、遠隔地からでも現地の生産情報を把握できる。
●市場取引価格のAI予測
過去の市場取引価格および気象データをAIによって解析することで、将来の市場取引価格を予測する。従来より早い段階で原料調達先を再検討できるため、仕入れコスト削減につながる。
※対象となる生産品目は、キャベツ、レタス、白菜、大根、タマネギ、ニンジンなどの土地利用型作物。
“脱”農薬に活用されるAIとドローン
Ledge.aiでは今年4月に「AIが『農薬離れ』を加速する。農業のスペシャリストが新時代への戦略を語る」という記事を公開。農薬散布を必要最低限に抑えるため、AIとドローンで作物を栽培する「ピンポイント農薬散布テクノロジー」によって栽培された「スマート米」の試食会のレポートだ。
ピンポイント農薬散布テクノロジーとは、ドローンで圃場の様子を撮影し、撮影した画像から病害虫を検知、必要な箇所だけドローンで農薬散布する技術のこと。
通常、農薬を減らすには人手で除草作業をしたり、害虫をピンセットで1匹ずつ潰したりと相当な手間がかかってしまう。しかし、ドローンで病害虫を検知できれば、手間をかけずとも必要最低限の農薬散布が簡単に実現するという。
いずれは農作業自体は全自動で、販売などだけ人間が諸作業をするという未来が来る予感がした。
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