医療マーケットにも変革の兆し?人工知能が変える医療の現場

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病気の初期症状で町のお医者さんにかかるケースって多いですよね。

で、そのたびに受付で何分も待たされて、いつもの薬をもらうか、専門的な診察が必要で大病院にまわされるケース…。

近いうちに手元のスマホで患部の写真を撮って症状をチャットで伝えれば、適切な処方を人工知能が教えてくれる。そんな時代がくるかもしれません。

様々な分野でインパクトを与えている人工知能技術。今回は人工知能×医療現場、という事例をまとめてみました。

ディープラーニングでがんを発見

elintic

医療×ディープラーニングのスタートアップでは先日1,000万ドルを調達したサンフランシスコに拠点をおくEnlitic社が有名です。

膨大な量の超音波、MRI、CTスキャン、レントゲン写真から悪性腫瘍(がん)のパターンをディープラーニングの技術によって学習し、がんを見つけ出します。

従来は放射線科医が200万ピクセルの画像の中から4ピクセルの腫瘍を見つけ出していましたが、この技術で補完する事でより短い時間で精度が高いがん検知が可能になりました。

これ、検出までの時間短縮や正確性の向上もさることながら、今まで人力でこれをやるためにいくつもの症例パターンを学習して実際に判定できるようになるまでにかかっていた教育期間も含めると。。。
ちょっと大変革レベルでコスト削減につながるんじゃないでしょうか。

特に医師の数が少ない場所、発展途上の国や日本国内でも専門医が十分に揃っていない地域などでの実用化が期待も大きいですよね。

IBMのワトソンも医療分野に力を入れている

watson logo

人工知能では有名なIBMのワトソンも医療分野へ注力しています。

従来より治療履歴のデータからある根拠に基づく治療の選択肢を医師に提供するシステム、大量にある医療用の文章データを解析して候補となる処置、新薬の提案などを行うシステムを提供していましたが、近年では画像解析の技術を取り入れEntlic社と同様にがんの画像解析にも力を入れています。

お隣の国中国では

baiduロゴ

日本で認知度がある中国検索大手のBaiduからは、症状を伝えるだけで病気を診断して近くの病院を紹介してくれるアプリ「AskADoctor」なんてのが出ています。

スマホに向かって「関節が痛い、高熱が続く」と言うだけで「インフルエンザ(70%の確率)」のように診断してくれます。

中国の都市部では診察の待ち時間が長く、適切な医師に診てもらうにも時間がかかるそう。なのでとりあえず検索!ってなった時に手元のスマホで最適な病院を案内してくれるのはいいですね。

国内ではドクターペッパー君登場!?(炭酸飲料のアレじゃないよ)

pepparの顔

じゃ日本国内ではどうかと言うと、国内でも人工知能をつかった研究開発が進められています。自治医科大学(栃木県)と医療機器メーカーがタッグを組んで進めているプロジェクトが人工知能ホワイトジャック。

ペッパー君のタッチディスプレイに患者の症状などを入力していくと、考えられる病名とその確率をアドバイスしてくれる様になっています。

多数の患者の診療データなどを集約したビッグデータの医療データバンクから、それを使って個々の患者の病気の候補を挙げてく部分に人工知能が活用されているのだとか。

まとめ

広がる医療分野への人工知能活用事例、完全に人工知能だけでなんとかするってのはなさそうですが、お医者さんの負担を減らす、医療が行き届いていない地域に医療を届けるといった感じでこれからも広がっていきそうですね。