「新たなオンライン接客のあり方を発明」HISとZeals、実店舗での“接客”をデジタル上で再現

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新型コロナウイルス感染拡大にともなう外出自粛などの影響は、実店舗にとって相当な痛手だ。そんななか、話題の「DX」を駆使し、実店舗での接客をデジタル上に再現しようとする取り組みが始まった。

株式会社Zealsは10月5日、株式会社エイチ・アイ・エス(HIS)に「接客DX(デジタルトランスフォーメーション)」の提供を発表した。接客DXとは、「チャットボット」「有人チャット」「ビデオ接客」といったサービスによる一連のプロセスを指す。

接客DXによってHISは、旅行プランの相談、コロナ影響の確認、旅行予約、予約後のサポートといった一連の接客体験のオンライン化を目指す。

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チャットボット、有人チャット、対面接客の3軸での取り組み

HISでは新型コロナウイルス感染拡大により、オンライン販売の強化を示した。これにともない、本社内には「DX推進本部」が設置され、新たなテクノロジーを活用したビジネスモデルの構築に投資を進めてきた。

この背景には、HISが「プロフェッショナルな店舗従業員のポテンシャルをフルに発揮するプロジェクトの推進が必要不可欠である」と考えたためだ。

DX推進のためにHISが導入したのはZeals社の「ジールス」という接客DXサービスだ。ジールスには大きく分けて3種類の接客要素がある。

ひとつは、チャットボットによる接客体験。24時間稼働するチャットボットによって、いつでもユーザーが質問したりコミュニケーションを取れたりできるようにした。

そして有人によるチャット対応。ユーザーそれぞれが抱える悩みや不安を解決するためには、“人”による対応も必要と判断し、チャットオペレーターによって接客をする。

3つめはビデオ接客による対応だ。対面での接客を希望する人は少なくない。対面接客のメリットは、身振り手振りや資料を活用することで丁寧なおもてなしができる点だ。

これら3つのなかでも、ビデオ接客による取り組みがカギを握っている。なぜなら、ビデオ接客をするのは、普段店舗で接客をしている旅行案内のプロフェッショナルであるHISの店舗接客員だからだ。つまりは、顧客からは店舗に行く必要もなくなるものの従来どおりの接客を受けられ、HIS側からは接客員による接客機会を新たに創出できる取り組みなのだ。

HISとの取り組みにあわせ、Zeals社の代表取締役CEO 清水正大氏は「コロナ以降は他業界のお客様のニーズにもお応えするために接客そのものをDXしていく必要性を強く感じてきました。この度HIS様と共に、コロナ時代の新たなオンライン接客のあり方を発明していく、まさに接客DXの挑戦にとてもワクワクしています」とコメントしている。

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変わる実店舗の在り方 「レジ無し店舗」に期待か

HISとZealsのように「店舗での接客をデジタル上に再現する」という取り組みだけでなく、レジ業務を削減することで接触機会を減らす動きがある。

そのなかでも注目は「無人レジ」や「自動決済」だ。

昨今、さまざまな企業が無人レジや自動決済に取り組みつつあるが、最も我々の生活から近い部分では「コンビニエンスストア」での実証実験が記憶に新しい。

コンビニエンスストア大手のローソンでは、今年2月から5月まで、商品を店から持ち出すだけで自動決済できる実証店舗をオープンした。出店した場所は、ローソンと技術協力する富士通の開発拠点「富士通新川崎テクノロジースクエア」の内部で、富士通社員のみが利用できる仕様だった。

実証店舗では、食品・飲料・デザートなど250種類の商品を販売されていた。店舗内にはレジを置かないだけでなく、ATMなどの設置もなし。また、酒やタバコの販売もしてない。店舗の従業員はいるものの、品出しのみでレジ業務は一切行わない。

無人店舗などは諸外国でも取り組みがあったが、その主な目的は人手不足の解消などが挙げられていた。しかし、コロナ禍では人手不足の解消だけでなく、接触機会を減らす目的としても意味があると考えられる。

実店舗自体は無くなることは無いと思われるが、その在り方がデジタルで変革しようとしているのだ。