Microsoftが最新エッジデバイスを発表。「HoloLens2」と「Azure Kinect」で何ができる?

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2月24日、バルセロナでMicrosoftによるイベント(Microsoft at MWC19 Barcelona) が開催され、HoloLens2Azure Kinectが発表されました。

視野の広さが2倍に。HoloLens2の進化した性能

Mixed Reality デバイスと呼ばれるHoloLensでは、ホログラムによりレンズに映し出した映像が現実空間に投影されているかの様に見ることができ、映像をジェスチャーで操作できます。

初代HoloLensでは、ホログラムで映像を表示するエリアは、視野角1度につき47ピクセルでした。

MRやARデバイスでは、どの程度の範囲を見ることができるかを表すのに、視野角1度につき見ることができるピクセル数で表すことが多いです。HoloLens2では、ARで表示するエリア面積が、縦横合計で4倍近く広くなったことに。

出典:講演映像

HoloLens2の操作には、コントローラーは必要ありません。

  • 両手でのジェスチャー
  • 目の動き・視線での操作
  • 音声での操作

などの直感的な動作で操作することができます。手の認識、視線検出、音声認識などAIの最新技術がHoloLens2に集約されています。

Azure Kinect Developer Kit

MWC19 Barcelonaでは、深度センサーを組み込んだAzure Kinectセンサーも発表されました。

Azure KinectはHoloLens2にも使用されており、RGB画像に加えてカメラからの遠さを意味する深度情報を取得できるセンサー。Azure Kinectの上部には7個のマイクが円形に配置されていることで、音が発された場所を特定することもできます。

Dynamics 365 Guides

HoloLens2を使用した、社員教育などに使えるガイダンスアプリDynamics 365 Guidesも発表されました。

Dynamics 365 Guidesを使用することで、インタラクティブに操作できるコンテンツに加え、画像や動画はもちろん、3次元モデルもトレーニング資料に組み込みことができるように。

Azure Mixed Reality Services

また、AzureのMixed Realityサービスとして、Azure Spatial AnchorsAzure Remote Renderingの2つのサービスを発表しています。

  • Azure Spatial Anchors
    mixed realityのアプリで認識した空間をマッピングし、位置の指定をした上でほかの人がそのマッピングされた空間を正確に読み込むことができる

  • Azure Remote Rendering
    遠隔医療など、3次元モデルの構築において解像度が重要となる場合に、高解像度で正確に素早く3次元モデルの構築を行うことができる

日常に溶け込むAI技術として期待

HoloLens2の価格は$3,500、日本円にして約39万円。価格から見るに、現状は個人向けというよりは法人向けのデバイスだと考えられます。

ハンドジェスチャーや視線、音声での操作は、スマートフォンで操作を覚えるよりも実は簡単かもしれません。画像やサイトを見ている時は上下左右でスクロールができれば十分ですが、例えば、ある建物の3次元モデルを動かす場合や地図上の視点を変えたい時などは特に有効だと言えます。

こういった技術を可能にするのには、手の骨格を認識する技術や、目の動きを捉える技術、音声信号から言語に変換して文章を構築する技術が必要です。

直感的な操作によるデバイスの操作性が高まると新たなアプリや問題解決が可能になると考えられます。HoloLensのようなMRデバイスが個人向けに普及すれば、「日常へのAIの浸透」がより実感できそうです。

Source: Microsoft at MWC Barcelona: Introducing Microsoft HoloLens 2