港湾のデジタルツイン構築に向けて協力。天津港グループ✕ファーウェイ

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画像はHuaweiチャンネルより

中国・天津港グループ(天津港集団)とファーウェイ(中国語表記:華為技術、英語表記:HUAWEI)は、2023年1月19日、今週、両社が港湾のデジタルツインを構築し、より一層の自動化とインテリジェント化を実現するために協力を深めていくことを発表した。

天津港グループのバイスプレジデント楊傑敏(ヤン・ジエミン)氏は、この計画が、新しい自動化ターミナルの建設、従来のターミナルのアップグレード、包括的なデジタルトランスフォーメーションの3つの要素で構成されていることを説明した。

天津港のスマートターミナル稼働を支援

世界初のスマートなゼロカーボン港湾ターミナルとして、天津港北江港区のセクションCターミナルは、2021年10月に大規模商用運用を開始し、以来安定稼働しているという。

ファーウェイ社の5GとL4の自律運用技術を応用し、より安全で効率的な運用を実現するターミナルでは、コンテナクレーンが自動で動作し、水平搬送システムのインテリジェントロボットが頻繁に行き来する。岸壁クレーンが貨物船から積み込んだコンテナを吊り上げ、インテリジェントロボットに載せ遠隔操作で水平搬送する。北斗(ベイドゥ)ナビゲーション衛星システムにより、ロボットは自動施解錠ステーションに誘導され、コンテナの解錠を行い、リアルタイムに計算された最適な走行ルートにそってコンテナヤードに向かう。これらの工程がスムーズに行われている。

楊傑敏氏は、5GとL4自律運用技術を組み合わせた新しいソリューションが、セクションCターミナルで一部公開されたシナリオで初めて大規模な商用アプリケーションになったことを説明した。

──楊傑敏(ヤン・ジエミン)氏:天津港グループバイスプレジデント

「これは世界中の既存の伝統的なコンテナターミナルをアップグレードし、変革するための新しいモデルを提供するものです。天津港で利用されているこれらのイノベーションは、港湾業界に大きな影響を与え、運営環境の改善、グリーンで低炭素な開発の推進、業務効率の向上により、港湾に新しい価値を生み出しています。こうした取り組みが世界の港湾業界のインテリジェントな発展を促進すると信じています」

──岳坤(ユエ・クン)氏:ファーウェイ社 道路・水路・港湾ビジネスユニットCTO

「港は海上輸送において、世界中の貿易と供給市場を結ぶ重要な架け橋となります。より効率的なスマートポートの構築は、世界のサプライチェーンにとってますます喫緊の要件となっています。天津港のセクションCターミナルは現在、1年以上にわたって安定的に稼働しています。これは、5GとL4自律運用がすでに中国の業界で導入に成功し、真の商業的、社会的価値を生み出していることを証明しています。この進歩がさまざまな業界に恩恵をもたらし、5GやAIなどの次世代デジタル技術が組み合わされ、業界の問題を解決し、デジタルな業界の変革とアップグレードを促進し、社会的価値を生み出すと考えています」

天津港は近代的な主要港として、水深22mの30万トン級のターミナルを誇る。また、さまざまなタイプの213のバース(荷役を行う港湾施設)を備えており、2022年には、コンテナ処理能力は2100万TEU(20フィートコンテナ換算単位、Twenty Foot Equivalent Unit)を超え、世界の港トップ10内にランクされるという。

>>ニュースリリース