最大約70%の電気使用量を削減。室温をモニタリングしAIが冷暖房制御する企業向け省エネソリューション「エナジーセーバー」

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アイリスオーヤマ株式会社は2023年3月1日、「エアソリューション事業」の一環として、室内温度を検知して空調の運転を制御することで電気使用量を削減する法人向け省エネソリューション「エナジーセーバー」を、2023年4月24日より発売することを発表した。

背景

エネルギー原料の価格高騰により、電力各社の家庭用電気料金値上げが相次ぎ、法人向け電気料金においても順次値上げが発表されている。家庭や企業における節電対策が急務となる中、同社では同年1月31日、法人向けLED照明の価格据え置きを発表したとのこと。

一方、空調の電気使用量は施設管理コストの中でおよそ30~50%を占めており、政府が熱中症対策として導入予定の「熱中症特別警戒アラート※」が発令された場合、クーリングシェルターとして図書館や公民館などの施設は開放を義務付けられるなど、自治体や企業は抜本的な省エネ対策が必要であるという。
※熱中症特別警戒アラート:環境省が導入の準備を進める、熱中症により健康に重大な被害が出ることが予想された場合に発令される「熱中症警戒アラート」より一段上のアラート

概要

同製品は既設の空調の動作を設定温度に合わせてAIが最適な冷暖房運転に導くもので、同社の調べによると2023年3月1日現在国内では初のソリューションとなる。

一般的な空調では、設定温度に合わせて室外機を稼働・停止させることで室温を調整する。しかし同製品では、2つの高性能温度センサーが、既設の空調室内機の吸気と給気の温度をリアルタイムでモニタリングするため、室温の変化をいち早く検知でき、室外機の必要以上の稼働を抑えることで設定温度に対する室温の上下変動を最小化し、室外機の電力使用量を大幅に削減するとのこと。

特徴

1. 空調自動制御により最大約70%の電気使用量を削減

同ソリューションは、2つの高性能温度センサーが、既設の空調室内機の吸気と給気温度をリアルタイムでモニタリングすることで室温の変化をいち早く察知でき、室外機の必要以上の稼働を抑えて最適な冷暖房運転に導くとのこと。設定温度に対する室温の上下変動を最小化し、最適な温度を保ちながら室外機の電力使用量を大幅に削減させるとのこと。

同社がスーパーマーケット、ホームセンターなどの小売業、冷蔵倉庫など10ヶ所へ導入して実証検証を行い、導入前後の電気使用量を比較・試算した結果、施設や状況により異なるが、導入後の空調に関する電力使用量は、冷房時で約30~70%、暖房時で約15~20%の削減が見込まれるという。

2. 1台で8基の空調を制御可能

同製品は、同時に1台で最大8基の空調を制御可能。製品本体が接続された室内機と紐づく室外機は、設定温度に対して最適な室温を保ちながら、室外機の必要以上の稼働を抑えることで省エネを実現するとのこと。

3. メーカー問わず既設の空調に設置可能

一般的に、空調の入れ替え作業は大規模な工事が必要となるが、同製品は既に設置されている空調の吸気口と給気口の2ヶ所に高性能な温度センサーを取り付け、本体を空調機の横に設置して完了とのことだ。

同社が導入を推奨するのは、ヒートポンプ式のエアコンを導入している全ての施設で、特にスーパーマーケットやホームセンター、百貨店などの商業施設のほか、低温での温度管理が必要な食品工場や冷蔵・冷凍倉庫、データセンターなどへの導入を推奨するという。


また、今夏の電力削減需要に迅速に対応できるよう、初期投資を抑えて導入できるレンタルプランなども用意されているとのこと。
製品公式サイト

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