日本ディープラーニング協会(JDLA) | G検定・E資格の概要・傾向・対策まで

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この記事は、日本ディープラーニング協会(英称:Japan Deep Learninng Association、以下JDLA)についてまとめています。協会の概要に加え、JDLAの実施する資格試験「G検定・E資格」についても解説します。

日本ディープラーニング協会について

JDLAの設立目的、協会活動、組織体制について解説します。

日本ディープラーニング協会とは

日本ディープラーニング協会とは、ディープラーニング技術の活用による日本の産業力向上を目指し設立された組織です。


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ディープラーニング事業を核とする企業およびディープラーニングに関わる研究や人材育成に注力している有識者が中心となり、産業の健全な発展のために必要な活動を行なっています。東京大学大学院工学系研究科教授の松尾豊氏が理事長を務めています。

協会活動/組織体制

日本の産業力向上のために、JDLAは「活用促進」「社会提言」「人材育成」「国際連携」「理解促進」の5つの活動を行なっています。


JDLA協会活動図(出典:JDLA公式HP)

また、JDLAは、以下の3つの委員会に分かれた組織体制で協会活動を行なっています。

  • 産業活用促進委員会
  • 公共政策委員会
  • 人材育成委員会

JDLA資格試験(G検定・E資格)とは

JDLAは人材育成活動の一環として、事業活用する人材・実装する人材という2つの側面で必要とされる知識やスキルセットを定義した、「JDLA資格試験」を2017年から実施しています。


ディープラーニングに関する知識を有し、事業活用する人材(ジェネラリスト)と、ディープラーニングを実装する人材(エンジニア)の育成を目指します。各々に必要な知識やスキルセットを定義し、資格試験を行うとともに、協会が認定した事業者がトレーニングを提供します。G検定は年3回、E資格は年2回実施予定。日進月歩する技術であることから、検定・資格実施年毎に実施年号を付与します。(JDLA公式ホームページより)
G検定E資格
受験資格なしJDLA認定プログラムを過去2年以内に修了していること(後に解説)
試験概要120分、小問226問の知識問題、オンライン(自宅受験)
(2020#1、問題数は前回実績)
120分、108問、会場試験
(2020#1、問題数は前回実績)
出題問題シラバスより出題
(後に解説)
シラバスより出題
(後に解説)
受験料一般:12,000円+税
学生:5,000円+税
一般:30,000円+税
学生:20,000円+税
JDLA賛助会員:25,000円+税
申し込みサイトJDLA Deep Learning for GENERAL(外部リンク)JDLA Deep Learning for ENGINEER(外部リンク)
年あたりの開催回数3回(これまで約4か月に一回のペースで開催)2回(これまで約6か月に一回のペースで開催)

G検定、E資格で身につくこと・役立つこと

G検定、E資格は知識の習得だけでなく、スキルの証明にもなるため就職や転職、自身の評価アップにも繋がります。

G検定の特徴

  • ディープラーニング(人工知能)に関する知識を体系的に取得できる
    人工知能・機械学習・ディープラーニングの基礎知識から最新動向、法律・倫理までが出題され、幅広い知識が身に付きます。

  • 転職や就職に有利
    ユーザー企業・ベンダー企業問わず、就転職時にG検定保有者は書類選考が免除されるなど、検定試験合格者を優遇する企業が増えてきています。

  • スキルや知識を証明し、社内外からの評価向上に役立つ
    産業界・学術界の第一人者が毎回出題範囲を見直し、シラバスを策定。日進月歩する技術動向に対応しているので、ディープラーニングの基礎知識を持つ証明として活用できます。さらに合格者には認証ロゴを配布、名刺に記載できるので社内外にアピールできます。

また、JDLAはG検定を勧める人の例を次のように挙げています。

こんな人におすすめ

  • ディープラーニングの知識を体系的に学び身につけたい方
  • AIを活用したい企業のマーケティング職、経営企画職の方
  • 未経験からAIに関する仕事で就職や転職を考えられている方
  • 突然AIプロジェクトの担当者に任命された、AI関連部署に社内異動となった方
  • AIを活用したいという相談を受ける代理店、コンサルタントの方

E資格の特徴

  • ディープラーニングを理論から理解し実装スキルを体系的に取得できる
    日々進化を遂げるAI領域においては、幅広い知識とスキルが要求され、最新論文の理解や理論へのキャッチアップも必要となります。JDLAではその膨大な領域の中から理論の理解と実装に必要な領域をシラバスとして定めているため、ディープラーニングの実装に関する知識・スキルを体系的に取得でき、最新論文を理解する力や自らライブラリを作る力が身につきます。

  • 転職や就職に有利
    数学的なバックグラウンドを持つ方やシステムエンジニアなど、未経験からディープラーニングの分野に進みたい・キャリアチェンジをしたい場合、E資格を保有していることで書類選考を優遇する企業も出てきています。

  • 協会が認定した事業者がトレーニングを提供、実装力も証明できる
    エンジニアに必要なのは現場で使える実装力。理論的な背景を理解するとともに、実装/実習を担う、いわゆる“教習所”を卒業することで、そのスキルを証明する資格試験となっています。合格者にはG検定と同様、認証ロゴが配布されるので名刺に掲載して実装力の証明をしている方が多くいます。

過去の受験者データ

G検定、E資格ともに試験開始以降、受験者数は増加しています。

G検定・E資格の受験者数・合格者数の推移(出典:JDLA資料)

G検定

G検定は累計受験者21,275名に対して14,523名が合格しています。合格率の平均は約70%(過去5回の実績より)です。2019#3の合格率は約71%でした。

G検定の申込者数、受験者数、合格者数、合格率の推移(出典:JDLA資料)

E資格

E資格は累計受験者1,420名に対して951名が合格しています。2019#2の合格率は約68%でした。G検定と比較すると、受験者、合格者数ともに大きく差が開いている状況です。

E資格の申込者数、受験者数、合格者数、合格率の推移(出典:JDLA資料)

より詳細な情報はこちら
「JDLA試験実施レポート 2019年12月版」(外部リンク)

問題内容(出題範囲・出題例・推薦図書)

日本ディープラーニング協会は、G検定、E資格それぞれの学習シラバスを提示しており、試験の出題範囲や推薦図書なども記しています

G検定

出題範囲(2019#3)
  • 人工知能(AI)とは(人工知能の定義)
  • 人工知能をめぐる動向
  • 人工知能分野の問題
  • 機械学習の具体的手法
  • ディープラーニングの概要
  • ディープラーニングの手法
  • ディープラーニングの研究分野
  • ディープラーニングの応用に向けて
  • 出題例出典:JDLA公式HP
    公式テキスト深層学習教科書 ディープラーニング G検定(ジェネラリスト) 公式テキスト

    出典:JDLA公式HP
    日本ディープラーニング協会が執筆した公式テキスト。最新シラバス「JDLA Deep Learning for GENRAL 2018」に完全準拠しており、各章末には練習問題も。
    詳細(外部リンク)

    E資格

    出題範囲
  • 応用数学
  • 機械学習
  • 深層学習
  • 開発・運用環境
  • 学習のシラバスはこちら
    JDLA E2020シラバス(外部リンク)
    JDLA E2019シラバス(外部リンク)

    JDLA認定プログラムについて

    JDLAでは、ディープラーニングの理論を理解し、適切な手法を選択して実装する能力を持つ人材を育成する講座を、「JDLA認定プログラム」として認定推奨しています。現在12種類の認定プログラムがあり、いずれかの認定プログラムの受講を修了すると、E資格の受験が可能になります。

    プログラム未経験からでも知識を身につけられるものや、ディープラーニングに特化したものなど、さまざまな種類の講座が用意されています。E資格を受験する人は、各プログラムを知ることで、自分に必要な知識を身につけるために最適なものを選ぶことができるでしょう。

    ※お申し込み・お問い合わせは各認定プログラムの実施事業者までご連絡ください。

    「JDLA認定プログラム」認定費用無償化制度スタート


    JDLAは、高等学校、高等専門学校、大学(短大、大学院を含む)を対象として、「JDLA認定プログラム」への認定にかかる費用を無償化および減額する制度を開始しました。

    • 対象となる教育機関:学校教育法第一条が定める「学校」※主に高等学校、高等専門学校、大学(短大、大学院を含む)
    • 無償となる費用:審査費用275,000円(税込)と認定料110,000円(税込)

    制度活用第一号として、中部大学の大学院工学研究科が承認されました。

    Ledge.ai編集部撮影

    試験対策:G検定・E資格合格者に聞きました

    実際に、株式会社レッジ内のG検定、E資格を受験している人に「総勉強時間」「勉強方法」「身についたこと」「役に立ったこと」を聞きました。

    G検定、E資格の受験を考えている人の参考になればと思います。

    G検定

    男性(Data Marketing div.データサイエンティスト)

    AIに携わった年数1年未満
    総勉強時間10〜20時間
    勉強方法テキストや参考書を読み込む
    使用した参考書『AI白書2019』『人工知能は人間を超えるか』『徹底攻略 ディープラーニングG検定 ジェネラリスト 問題集 徹底攻略シリーズ』

    女性(Corporate planning div.人事など)

    AIに携わった年数なし
    総勉強時間約20時間
    勉強方法G検定公式テキスト数周(ほぼ通勤時の電車の中)、webでの模擬試験
    使用した参考書『深層学習教科書 ディープラーニング G検定(ジェネラリスト) 公式テキスト』

    男性(Media div.ディレクター)

    AIに携わった年数1〜2年
    総勉強時間8〜10時間
    勉強方法教科書と参考書をひたすら読み、例題を解く
    使用した参考書『人工知能は人間を超えるか』『AI 白書』『深層学習教科書 ディープラーニング G検定(ジェネラリスト) 公式テキスト』

    男性(Media div.マーケティング・イベントプランニング)

    AIに携わった年数1年未満
    総勉強時間5時間
    勉強方法G検定公式テキストを読み、例題を解く
    使用した参考書『深層学習教科書 ディープラーニング G検定(ジェネラリスト) 公式テキスト』

    平均勉強時間は約9時間、AIに関わる業務をした経験がある人に関しては基本的に10時間を超えない結果となりました。参考書についてはG検定(ジェネラリスト) 公式テキストをほとんどの人が使用していました。

    また、受験を通して「身についたこと」「役に立ったこと」も聞きました。

    身についたこと

    • AI、ディープラーニング全般の基礎的な知識
    • AIを説明する方法

    役立ったこと

    • 自社ビジネスの基礎を理解することができた
    • AIの基礎が固まったことで、仕事を通して学んでいたことを再確認できたのと、今まで触れたことのなかった部分にも満遍なく学習でき、仕事に生かすことができた
    • 知識的な面ももちろん、名刺に合格者ロゴを入れられるため、名刺交換の際に話題になった
    • 取材時の信頼感がupした。イベントなどでの話題のネタになった

      E資格

      男性(Data Marketing div.マーケティング・セールス)

      AIに携わった年数1年未満
      受講した認定プログラム「現場で使えるディープラーニング基礎講座」(外部リンク)
      「現場で使える機械学習・データ分析基礎講座」(外部リンク)
      ※回答者は非エンジニアであり、機械学習の実装に不安があったため、受験には必須ではない機械学習講座も受講しています
      認定プログラム外の総自習時間約100時間
      (受講した2講座の予習時間に約40時間、通し課題に約30時間、試験前の復習や試験対策に約30時間)
      使用した参考書なし(認定プログラム内の勉強のみ)

      男性(Data Strategy Dept.機械学習エンジニア・ディレクター)

      AIに携わった年数1年未満
      受講した認定プログラム「現場で使えるディープラーニング基礎講座」(外部リンク)
      「現場で使える機械学習・データ分析基礎講座」(外部リンク)
      認定プログラム外の総自習時間約100時間
      使用した参考書ゼロから作るディープラーニング
      身についたこと

      • 画像、自然言語、予測、などそれぞれの分野の基本的な知識が身についた
      • ソリューションが思いつきやすくなり、会話の中で瞬時に打ち返せるようになった
      • ディープラーニングのような雰囲気がつかみにくい分野を、体系的に学ぶことができ、技術を整理して学ぶことができた

      役立ったこと

      • 商談時のネタになる。クライアントに興味を持ってもらえる。商談の中でどんなことをしたら良いのかがわかる(技術レベル)
      • 理論を理解してるから、再現性高く、AIの応用企画ができる

      認定プログラムの様子は、レッジの社員の受講体験記に。

      Ledge.ai編集部撮影

      合格者コミュニティ「CDLE(Community of Deep Learning Evangelists)」に参加し、情報交換なども可能

      Ledge.ai編集部撮影

      日本各地でディープラーニングの普及に向けたJDLAの活動のひとつに「CDLE(Community of Deep Learning Evangelists)」があります。

      「CDLE」は2018年に設立されたG検定・E資格の合格者コミュニティです。G検定・E資格に合格するとJDLA事務局からCDLE専用のSlackワークスペースに招待され、合格者同士が情報交換する場になっています。Slack上だけでなく、協会主催の「合格者の会」や合格者主催のMeetUpなど、オフラインの場でも交流も盛んに行われています。CDLEのSlackワークスペースは、合格者約1万5,000人のうち9,800人以上が参加する大規模なコミュニティになりつつあります。(2020年1月23日時点)

      全国高等専門学校ディープラーニングコンテスト(DCON)

      JDLAはビジネスの視点を持つ世界に通じるディープラーニングのエンジニアを高等専門学校から輩出するためのサポートを目的に、全国高等専門学校ディープラーニングコンテスト(DCON)を開催しています。

      DCONとは、高専生の日頃の学習成果を活かした「ものづくりの技術」とディープラーニングを活用した作品によって生み出される、事業性を競うコンテストです。

      Ledge.ai編集部撮影

      全国高等専門学校ディープラーニングコンテスト(DCON)2019最優秀賞(JDLA若手奨励賞)
      長岡工業高等専門学校 長岡高専プレラボチーム
      企業価値評価額は4億円、投資総額は4,000万円と事業可能性を大きく評価され、コンテスト内で提案された事業はすでにブルボンなど県内大手企業へ導入が決定しています。

      DCON公式HP(外部リンク)
      DCON公式Facebook(外部リンク)

      ディープラーニングを使った実用化の壁も徐々に浮き彫りになってきた2019年──松尾氏年頭所感


      2020年1月6日、JDLAの理事長である松尾豊氏による年頭所感を発表しました。松尾氏は、2019年についてAI人材の育成とディープラーニングの活用が着実に進んだ年だったと述べました。

      また、ディープラーニングの広がりと同時に課題として、ディープラーニングを使った実用化の壁も浮き彫りになった年でもあったと述べました。

      ――松尾氏
      2019年は、ディープラーニングの活用が着実に広がった年と言えるでしょう。(中略)同時に、ディープラーニングを使った実用化の壁も徐々に浮き彫りになってきた年でもありました。単に、「やってみました」ではなく、きちんとユーザの痛みを把握し、それを解決するような製品・サービスにつなげないと、実際に使われるようにならないということを、多くの技術者や企業が感じています。これも技術が着実に普及していることの表れでもあると思います。(日本ディープラーニング協会 2020年 年頭所感より抜粋)

      ディープラーニングやAIが「目新しい」だけでもてはやされる時代は過ぎ、産業での活用はさらに進み、なかには大きく成長する事業もあることでしょう。

      今後もディープラーニングの活用の拡大と「ディープラーニングの実用化」に取り組むJDLAに注目していきます。

      JDLA関連情報・リンク

      JDLA公式Facebook(外部リンク)
      JDLA公式YouTubeチャンネル(外部リンク)
      connpass JDLAグループ(外部リンク)

      Ledge.aiはJDLAの公式メディアパートナーを務めています。
      JDLAのリリース情報や、JDLAの取り組みを発信しています。