変革期だからこそ「大きなことを起こせる」と信じられるか。「JDLA資格試験 合格者の会」が開催

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7月2日、日本ディープラーニング協会が実施する資格試験である「G検定」および「E資格」合格者の会が開催された。本稿では当日の様子を抜粋してレポートする。

  • G検定とは
    「ディープラーニングの基礎知識を有し、適切な活用方針を決定して事業応用する能力を持つ人材」とJDLAが定義。2020年までに10万人規模で輩出することを目指している。

  • E資格とは
    「ディープラーニングの理論を理解し、適切な手法を選択して実装する能力を持つ人材」とJDLAが定義。2020年までに約3万人の輩出を目指している。

合格者コミュニティ「CDLE」と、全国でディープラーニング普及に務めるLeaders Core

会はJDLA資格試験の合格者コミュニティである「CDLE(Community of Deep Learning Evangelists)」の紹介で幕を開けた。

CDLEは2018年に設立された、JDLA資格試験の合格者が情報交換などを活発にするコミュニティだ。合格者だけが入ることができるSlackチャンネルも存在する。合格者約4,000人のうち6割以上が参加する、大規模なコミュニティになりつつある。

CDLEをリードする「Leaders Core」のメンバーは、北海道、名古屋、埼玉、東京、京都、バンコクなどさまざまな場所で勉強会などを開催し、ディープラーニングの普及に務めている。Ledge.aiでも以前取材した西川コミュニケーションズの伊藤明裕氏なども参画する。

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ディープラーニング普及のため、資格試験合格者によって「自走する組織」を目指すという。

申込者数、合格者数は右肩上がり。経産省も後押し

乾杯前の挨拶にはJDLA事務局長の岡田隆太朗氏が登壇し、JDLA設立から現在までの状況を説明した。

――岡田
「申込者数、合格者数ともに右肩上がりで推移しており、プログラミング未経験の人でもG検定に合格するなど、裾野は広がっています。資格を知ったきっかけは上司や同僚からの口コミという方も多いです。

合格者に実施したアンケートによると、業務で資格の内容を使わないという人も取得されています。そういう方はこれからどんどん使っていって欲しい。『分かっている人同士が話す』のが一番速いので、今日はみなさんぜひ仲良くなって帰ってください」

続いて登壇したのは経済産業省商務情報政策局 総務課長の伊藤禎則氏。「G検定は車の免許と同じ」と語っていたのが印象的だった。

――伊藤
「資格試験は車の免許と一緒です。一旦免許を取れば、いろいろなサービスへ活かせる可能性が出てくる。どうかペーパードライバーでゴールド免許のようにならないように、ぜひ資格を仕事に活かしていっていただければと思います」

LT13連続開催。熱気に包まれる会場

乾杯後には参加者が交流を深める歓談の時間も設けられた。歓談中に行われたLTには13社が登壇し、会場は文字通り熱気に包まれた。

変革期だからこそ「大きなことを起こせる」と信じること

閉会の挨拶には、東京大学教授でありJDLAの理事長も務める松尾豊氏が登壇。合格者に向けて檄を飛ばした。

――松尾
「協会が始まって2年経ちますが。さまざまな変化が起こっていると感じます。これらは変革期だから起こることであり、普通なら起こらないことだと認識してほしい。

インターネットが出てきたのは20年前になりますが、そのころ我々はインターネットの時代に何ができるかを必死に考えたはずです。それはディープラーニングでも同じことです。

技術は出てきている。我々は成長の真っ只中にいるということ、変革のタイミングだということを自覚してほしいと思います。大企業、ベンチャー等しくチャンスがある。限界を設けずに、どれだけ強く『大きなことを起こせるんだ』と信じられるかが重要です

松尾氏は、今回集まった合格者のなかから「大きなビジネスを起こす人が100人でも出てきてほしい」と語り、会を締めた。

経済界へディープラーニング普及を後押しする特別顧問も招聘

今回、合格者が700名近く集ったということもあり、会場の熱気は汗が止まらなくなるほどだった。

今回集まった資格合格者が今後、ディープラーニング普及に向けたエバンジェリストとなるか。JDLAメディアパートナーであるLedge.aiとしても、改めて兜の緒を締めなければ、と思わされる会だった。

また、JDLAは7月2日付けで、特別顧問として以下の5名を招聘することを決定した。

小林喜光氏   株式会社三菱ケミカルホールディングス取締役会長
小宮山宏氏   株式会社三菱総合研究所理事長、 第28代東京大学総長
坂根正弘氏   株式会社小松製作所 顧問
長谷川閑史氏  元 武田薬品工業株式会社 社長兼CEO
森信親氏    米・コロンビア大学 国際公共政策大学院 教授、 元金融庁 長官

いずれも日本の経済界の重鎮たちだ。日本の経済界における、ディープラーニング普及の後押しになることに期待したい。