最近、ディープラーニングをさまざまな形で学べる機会が増えてきましたよね。
そんな中、名前のままですが「AIガジェットを作りながらゼロから学ぶディープラーニング推論」というサイトが登場しました。
「そもそも何が必要でどこで買えば良いのか」から学べる
ディープラーニングを、AIを用いたガジェットを作りながら学ぼうというコンセプトの本サイト。具体的にはサイト上で以下のカリキュラムを進めていく内容のようです。
【準備】必要となる周辺機器のすべて
【設定】ゼロから始めるインストール
【基礎1】LinuxコマンドとNanoの使い方
【基礎2】Pythonを学ぶ
【実践1】GoogLeNetで物体認識の実行と改造
【実践2】GoogLeNetで物体認識の解説
【基礎3】OpenCVを学ぶ
【実践3】GoogLeNetでリアルタイム物体認識&音出力
【実践4】GenderNet/AgeNetで性別/年齢推定
【実践5】GenderNetで性別リアルタイム推定&画像出力
【実践6】SSD/Yoloで物体位置・大きさ認識
【実践7】Yoloでリアルタイム物体認識&VR出力
【APPENDIX1】SSH/SFTP/VNC
【APPENDIX2】SDK Toolの活用
本記事執筆時点では概要、準備、設定の3つしか公開されていませんが、ものすごく丁寧に解説してくれています。これらの内容を、以下のパーツを使い、AIを組み込んだガジェットを作りながら学べるとのこと。
- USB端子を搭載したスティックで、ディープラーニング推論処理を高速化するアクセラレータ
- クラウドを利用することなくリアルタイムに推論可能
- RaspberryPiやLinux搭載PCに挿入して使う
- インテルが開発した専用チップ「Intel’s Movidius™ Myriad™ 2VPU」 を搭載
低消費電力かつ高性能なVision Processing Unit(VPU)。ジェスチャー制御できるドローン、スマートセキュリティカメラ、産業用画像認識機器などにも使われている。
- 世界でもっとも有名でたくさん使われているシングルボードコンピュータで、教育用として開発されたが、現在はホビー用途から業務用途まで幅広く使われている
- 動画・音楽などのマルチメディア再生、センサー・ロボットなどの組込み制御、インターネット通信やwebサーバーなど多彩な機能を持つ
- LinuxOSを入れたmicroSDカードを使うことにより起動
- 最新のRaspberryPi3では、WiFiとBLEを搭載し、HDMI出力、4つのUSBポート、音声出力用ミニジャックなどを有する
みなさんご存知ラズベリーパイも。ちなみに、ちゃんとこれらのパーツをどこで買えばいいのかまで徹底解説してくれています。まさに至れりつくせり。
具体的に何が作れるの?
上記を使って作れるものは、以下の動画に簡単にまとめられています。
- 画像認識 × 音出力:カメラに映った画像を認識してリアルタイムに音を出力
- 性別認識 × 画像出力:カメラに映った顔の性別を認識してリアルタイムに画像表示を切り替え
- 物体認識 × AR出力:カメラに映った物体を認識してリアルタイムにARへの応用
これらのAI機能を持つガジェットがつくれるんだとか。まさに電子工作しながらディープラーニングが学べるサイトというわけですね。夢が広がります……!
ディープラーニングを学ぶには推論から?
ディープラーニングは主に、
・学習
・推論
の2つに分けられます。ニューラルネットワークにデータを与えてモデルを作り、そのモデルによって高度な推論が可能になるわけですね。
このサイトをリリースしたJellyWare社いわく、まずは理解しやすい推論を学ぶことが、ディープラーニングを使いこなす近道だとのこと。その推論を基礎から徹底的に丁寧に解説することで、初心者もディープラーニングについて勉強できるひとつのきっかけとなることを期待している、としています。
コンテンツをもとにしたハンズオンセミナーも
ディープラーニング。学びたいのはやまやまですが、
- 数学
- 各種専門用語
- プログラミング
- フレームワーク
- 環境構築
- 用途
- 種類
- フェーズ
などなど、カバーする範囲が多すぎて何をどう学習したらいいのかわからず、ハードルが高いのが現状。このように作りながら学べるサービスは、「モノづくり」という方向性がしっかりしていて学びやすいように感じます。
2018年秋ごろには、サイトのコンテンツをベースにしたハンズオンセミナーも開催予定とのこと。それまでにこちらのサイトで勉強して、セミナーにも参加してみてはいかがでしょうか?