AIで自動販売機の売り上げが最大50%以上も増加、JR東日本の連結子会社

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画像はUnsplashより

東日本旅客鉄道(JR東日本)の連結子会社で、JR東日本リテールネットの完全子会社の株式会社JR東日本ウォータービジネスは12月9日、自販機の売上増加と飲料補充業務効率化を目的に、オーストラリア拠点のHIVERY社が提供するシステム「HIVERY Enhance」を本格導入すると発表した。

「HIVERY Enhance」は、JR東日本ウォータービジネスが保有するPOSデータを活用することで、「どの商品をどの自販機に、どのタイミングで交換すれば良いか」を導き出し、最適な自販機の商品ラインナップをオペレーターに提案する。オペレーターは人工知能(AI)システムを参考に補充作業をすることで、効率的に売上につながる商品提供が可能になるという。

具体的には、「HIVERY Enhance」を活用することで、売り上げ傾向が類似した自販機のデータから、対象自販機で新たに投入すべき売れそうな商品を選定したり、差し替え商品をどの自販機に投入すべきか、それぞれの自販機の売り上げ予測から決定し、売場の品揃えの最適化を図ったりできる。

売り上げ予測から各商品の欠品までの日数を計算し、訪問回数を抑えるように収納本数の最適化を図ることも可能。さらに、個々の自販機を1台として見るだけではなく、併設自販機を1つのグループとして見たり、周辺自販機すべてを1つのエリアとして捉え、新たに差し替える商品をグループやエリア単位で見た際に、どの自販機に入れるのが最適かを判断したりできる。

実際、JR東日本ウォータービジネスは本システムを活用した実証実験を2017年から開始し、2019年冬での検証では最大50%以上、全体でも5.27%の売り上げ増加を記録したという。今回は一定の成果が確認できたため、システムの本格導入にいたったとしている。

「コロナ禍で落ち込んだ売り上げの回復」目指す

これまで自販機ラインナップの決定は、実際に現場で補充する各オペレーターに任されてきた。担当するオペレーターの経験値や発想をベースに商品入れ替えのタイミングや商品ラインナップを決定していたため、担当変更などが発生すると、そのエリアの自販機に関するノウハウを完全に継承することが難しく、売場の平準化が課題だったという。

また、飲料自販機業界は、補充業務に従事する働き手の人手不足が問題化しており、労働環境の改善が求められているとのこと。今回のシステム導入により、商品補充業務の効率化とともにラインナップ決定を支援することで、売場の平準化を目指すとしている。

株式会社JR東日本ウォータービジネス 自動販売機事業部に所属し、本施策の担当者でもある東野裕太氏は「これまで培ってきたオペレーターの方々の経験値とビッグデータ活用の融合こそが当社の最大の強みと考えました。その融合を実現した本システムにより、コロナ禍で落ち込んだ売り上げの回復と、長年課題であった働き方改革の一助になることを目指し、自販機オペレーションの新たな形を築きたいと考えています」とコメントを寄せる。

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