「職員の半数以上が過労死ライン超え」回答多数、新型コロナのワクチン接種で自治体に負担増

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株式会社JX通信社は7月27日、新型コロナウイルス感染症(COVID‑19)の​ワクチン接種に関して、全国1700超の全基礎自治体を対象に実施した独自調査の第3回目の結果を発表した。7月27日現在、700自治体から回答があった。

本調査では、ワクチン接種の影響で「負担が大きく増している」と回答した自治体は約7割。どのような負担が増えているのか聞くと、「担当職員の半数以上が(過労死ラインとされる)月80時間超の残業をしている」は半数に迫る300近い自治体が選んだ。

なお、現在、Ledge.ai編集部で掲載中の特集『新型コロナとデータ分析〜4度目の緊急事態宣言は何をもたらすのか?』では、株式会社JX通信社 取締役兼CXO 細野雄紀氏に3度目の緊急事態宣言の効果について話を聞いた。気になる人は以下の記事をチェックしてほしい。

ワクチン接種の終了目処「11月」が最多

接種を10〜11月に終えられるかと聞くと、「終えられる」は79.9%。なお、首相官邸の公式サイトによると、7月27日現在、65歳以上の高齢者の84.2%が1回目の接種を終え、総人口では36.4%が1回目の接種を終了している。

ワクチン接種の終了目処(めど)を聞くと、もっとも多かった回答は「11月」。次いで「10月」「9月」と続く。

菅義偉首相が6月上旬に表明した希望者全員の11月までの接種完了については、「可能である」は約80%。一方で、足元ではワクチン供給が不足する自治体が出てきており、「今後の接種目処が立たない」など、先行きを不安視する声も多数あったという。

現場の負担感について聞くと、「負担が大きく増している」は69%。「負担が多少増している」と回答した自治体も20%を占め、あわせると9割近い自治体が負担増を訴えている。

どのような負担が増えているのか聞くと、「担当職員の半数以上が(過労死ラインとされる)月80時間超の残業をしている」は半数に迫る300近い自治体が選択。「離職者」や「休職者」が出ているとの深刻な回答も約30自治体が選んだ。

独自の優先接種枠の有無について聞くと、「独自の優先接種枠を設けている」は6割以上におよぶ。

優先接種の対象としてもっとも多かったのは「保育園・幼稚園等職員」や「学校教諭」など、日頃子どもと接する機会が多い職種の従事者だった。

そのほか、「中学3年生、高校3年生」といった受験生を優先対象としたり、「旅館」「タクシードライバー」など観光業従事者を優先したりする自治体もあった。

アンケート詳細
・アンケート回収期間:2021年6月21日〜2021年7月21日
・アンケート対象:全国1741自治体
・アンケート回答:700自治体

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