株式会社JX通信社は8月4日、新型コロナウイルス感染症(COVID‑19)の第5波では、従来に比べて感染事例件数全体に占める「医療施設」や「福祉施設」の割合が急減し、「店舗」の割合が増加していると発表した。
同社はニュース速報アプリ「NewsDigest」(無料/iOS・Android対応)で、全国の新型コロナウイルス感染症の感染事例のある施設の情報を収集し、ユーザーが地図で確認できる機能を提供している。今回の発表は本機能で蓄積した累計3万6000件に上るビッグデータを分析したものだ。
感染事例報告施設のデータを時系列に分析すると、現在の第5波は「医療施設・福祉施設」の割合が急減し、7月26日〜8月1日には全体の3.5%にとどまった。
2月21日〜2月27日には「医療施設・福祉施設」の感染事例報告が45.2%を占めていたが、医療従事者へのワクチン接種が始まった2月中旬以降は割合が急減した。同様に「福祉施設」も高齢者へのワクチン接種が本格的に始まった5月中旬以降は割合が減少している。
一方で、飲食店やスーパー、百貨店など「店舗」の占める割合が71.2%と、第3波平均(約30%)の2倍以上に増加している。感染力が強いとされるデルタ株により、職場や店舗での感染事例は急増しており、「密」の対策の回避の重要性が可視化されたと考えられる。
また、JX通信社は8月3日、第5波の到来で感染者数が全国各地で過去最高水準に達しており、「NewsDigest」の感染事例に寄せられたユーザーからの情報提供の件数が、この4週間で約6倍に急増していると発表した。デルタ株の脅威を感じさせる変化と言えるだろう。
なお、同社は「NewsDigest」において新型コロナウイルス感染拡大初期から、全国で自治体や企業などが発表した感染事例のある施設の情報を独自に収集してきた。2020年来蓄積したデータは累計3万6000件に上っており、カバーしている感染者数は延べ12万7000人になる。
>>ニュースリリース「NewsDigest「新型コロナ感染事例マップ」 感染事例のある施設の報告件数が4週間で約6倍に急増」
>>ニュースリリース「【調査】新型コロナ感染報告が「医療施設」「福祉施設」で急減 「店舗」は急増=JX通信社調べ」
新型コロナとデータ分析〜4度目の緊急事態宣言は何をもたらすのか?
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