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株式会社JX通信社と株式会社パトライトは2021年1月7日、JX通信社が開発・販売するAI緊急速報ツール「FASTALERT」(ファストアラート)を用いた防災ソリューション分野で連携すると発表した。
今回の提携により、幅広い業界で活用される回転灯・表示灯を提供するパトライトのネットワーク対応型表示灯と、SNS上から災害・事故・事件などリスク情報をリアルタイムに配信するFASTALERTが組み合わせることで、FASTALERTのリスク速報を、より分かりやすく受け取ることが可能となる。
今回、FASTALERTに対応する製品は、パトライトが提供する「NH-FVシリーズ」。NH-FVシリーズはEthernetで通信・制御するタイプの積層信号灯だ。ランプ点灯による「光」の情報のほか、MP3音源を再生することで、「音声」情報の報知も実現する。
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AIがSNSでの投稿を分析し速報するソリューション、公共分野での情報収集にも活用
JX通信社が提供するFASTALERTは、マスメディア・自治体・インフラ企業などで活用されているAI緊急速報ツールだ。ソーシャルメディアで投稿される事件・事故・災害・テロ・インフラ障害などの情報をAIが収集・解析することで、重要な必要情報だけを映像などとともにリアルタイムで配信する。
FASTALERTでは従来のハードウェアに依存した防災情報収集に比べ、広範囲かつ幅広いリスク情報を安価に捉えることが可能だ。このため、激甚化(げきじんか)する昨今の災害への備えとして、公共分野での防災情報収集の補助から、インフラ企業のBCP対策ツールとしても導入が進められている。
また、FASTALERTの特徴として、Webブラウザで利用できる導入コストの低さと、必要なエリア・種別の情報のみを受信できる選択性が挙げられる。だが、これまで多様な情報の監視を必要とする企業などから、より視認性の高い受信方法を求める声も上がっていた。そこで今回、監視業務に幅広く用いられているパトライトと連携することで、信頼性の高い形で、クラウド上のFASTALERT基盤システムから直接、指定した情報の受信を通知することを実現したという。
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災害時の河川の水位をAIが予測、解析結果をメールなどで住民に情報提供
災害などの緊急時の情報提供にAIを活用することで、信頼性のある情報入手が期待できる。
鳥取県と株式会社建設技術研究所2020年12月4日、持続的で実効的な河川管理および豪雨時における安全避難の実現を目的として、河川監視カメラ・水位計などより得られるデータとAI技術を用いた新技術の開発(河川管理の高度化)に取り組むと発表した。
鳥取県と建設技術研究所は、地方自治体でのインフラ維持管理に携わる職員数の不足や、気候変動にともなう、台風・豪雨が激甚化するなかでの河川情報の充実化といった課題に対して、以下の2段階の技術開発に取り組んでいる。
まず、「監視カメラ画像を用いて、AIが諸現象(越水、砂州の変化)を検知する技術」。次に、「AIが河川の将来水位を予測した上で、さらに諸現象(越水、砂州の変化)および河川管理施設の操作タイミングを予測する技術」だ。2段階目の技術では、降雨量予測データなどからAIが将来水位を予測し、諸現象や河川管理施設の操作タイミングを予測する。そして、それらの解析結果をもとに、電子メールやWebサイトで管理職員や住民へ警戒・避難情報などをリアルタイムに構築するという。