点字ブロックでAIが音声案内 ── 金沢工業大学と金沢市が社会課題解決に向けた実証実験

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金沢工業大学工学部情報工学科 松井くにお教授(専門:人工知能)の研究チームが、AI技術を使った視覚障害者向け歩行サポートシステムのプロトタイプの検証実験を、2019年1月12日(土)13時から16時まで金沢駅東口地下広場で行います。

視覚障害者が点字ブロックから得られる情報の制限

点字ブロックには、棒線状の凸凹した点字ブロックと、点状の凸凹した点字ブロックの2種類があるのはご存知でしょうか?

それぞれ「線状ブロック」「点状ブロック」と呼ばれ、前者は道の誘導の役目をし、進行方向を視覚障害者に伝える役割、後者は交差点やバス停等、歩行者に警告を発し、「止まれ」などの注意喚起を与える役割をしています。

しかし、この2種類の点字ブロックが視覚障害者に与えてくれるものは、「方向性」と「注意」のみで、目の前の点字ブロックの先にどんな施設があるのかまで教えてくれるものではありませんでした。

点字ブロックを読み取り、進行方向にある障害物などの細かな情報を提供

今回の金沢工業大学の実験は、既存の公共インフラである点字ブロックを音声案内に利用するものです。

被験者が身につけたカメラで歩道上のコード化された点字ブロックを読み取ると、被験者の状況に応じてAIが行き先や施設の情報を音声で案内します。GPSでは困難な、細かい精度での案内情報の提供が可能だそう。

研究チームでは被験者からヒアリングを行い、視覚障害者のみならず、外国人や観光客に対しても案内情報の提供を可能にするシステムの研究開発を目指します。

AIで現代の課題解決に挑む金沢市

金沢市は、2018年8月に「AI技術地域展開検討会」を設立し、AIやIoTなど先端技術の活用を進めるための「金沢市新産業創出ビジョン」を策定しました。産学官が連携する拠点の整備や、地場企業の技術導入を支援するなど5つのプロジェクトを定め、2022年度までの実現を目指しています。

今回の実験は、上記のプロジェクトが目指す「市民と観光客の利便性・回遊性の向上」の一環として行われるもの。

今回の事例だけでなく、過去にLedge.aiでも紹介したOrCam MyEyeやMicrosoftのSeeing AIのように、AIなどのテクノロジーを駆使して障害者を支援していく動きが、近年目立つように感じます。

一般的にビジネスなどの業務効率化といった文脈で話されるAI。ビジネスだけでなく、直接的な社会課題の解決に応用されるAIがさらに普及することで、すべての人にとって住みよい世の中を作っていくことができるのではないでしょうか。