キユーピー、熟練でも30分かかるシフト表の作成を1秒に 量子コンピュータ活用で

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キユーピー株式会社は惣菜工場において、量子コンピューティング技術を活用し、製造サインのシフト最適化プロジェクトを開始した。サービス開発元の株式会社グルーヴノーツが10月9日に発表した。

惣菜工場における製造ラインのシフトを最適化

シフト計画を作成するには、本人の労働条件や休暇希望、製造ラインごとに求められる人数・スキル要件、勤務間隔、人件費、人と人の相性など、さまざまな条件を考慮する必要がある。

このような多くの条件を満たしたうえで、さまざまな組み合わせパターンのなかから最適な答えを解く問題は「組合せ最適化問題」と言われる。組合せ最適化問題を解決するテクノロジーが、量子コンピューティング技術のなかで「イジングマシン」(または、量子アニーリング)といわれる技術だ。

グルーヴノーツは、イジングマシンを活用し、業務上のさまざまな組合せ最適化問題を解くモデル(イジングモデル)やアプリケーションを開発し、「MAGELLAN BLOCKS」として提供している。そこで、キユーピーはグルーヴノーツを最適生産体制の実現に向けたテクノロジーパートナーに迎え、惣菜工場における製造ラインのシフト最適化プロジェクトを開始した。

熟練でも30分かけるシフト表の作成をわずか1秒に

これまでキユーピーとグルーヴノーツが実施した実証実験では、「MAGELLAN BLOCKS」のイジングモデルでシフトを作成したところ、熟練のシフト作成者が30分かけて作成したシフト表と比べて、遜色なく実運用で使える結果をわずか1秒ではじき出したという。

これにより、従来は複雑すぎて考慮しきれなかった条件や、従業員が求める新しい働き方の要件、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策として密集を回避した配置基準などを加味した、シフト作成が可能になると期待が高まる。また、両社は本事業として、人とロボットの共存を考慮したシフト、および製造順序の最適化に向けた取り組み検討を進めるとのこと。

>>ニュースリリース

富士通とトヨタ、物流コストを最大5%削減か 量子コンピュータ技術活用で

近年、量子コンピュータや人工知能(AI)などの最先端のテクノロジーの活用に、さまざまな企業が乗り出している。

最近でも、富士通株式会社と株式会社トヨタシステムズは9月10日、富士通の組合せ最適化問題を高速に解く量子コンピューティング技術「デジタルアニーラ」を活用し、自動車製造に必要な部品の物流ネットワークを最適化する共同実証を実施したと発表。

本共同実証では、数百を超える仕入れ先から部品を仕入れ、数か所の中継倉庫を通り、数十の工場へ配送する300万以上のルートを探索する問題に対して「デジタルアニーラ」で計算し、トラック数、総走行距離、仕分け作業などを含めた物流コストを最適化した。

その結果、300万以上のルート候補から、全体の物流コストが削減する新たなルートを30分以内で計算できるとわかった。これまで見つけられなかった有効な物流ルートの発見、積載効率の向上、トラック数や総走行距離の効率化などにより、物流に関わるコストを約2%~5%削減できる可能性があるとする。