現代人の悩みに回答する仏教対話AI「ブッダボット」京都大学が最古の仏教経典で

このエントリーをはてなブックマークに追加

京都大学 こころの未来研究センター准教授の熊谷誠慈氏、Quantum Analytics Inc. CEOの古屋俊和氏らの研究グループは、現代人の悩みや社会課題に仏教的観点から回答する仏教対話AI「ブッダボット」を発表した。回答の精度にまだ課題は残っているが、ユーザーの質問に対して文章の形で回答できる状態に仕上げたという。

本AIの開発にはGoogleが提供する「BERT」というアルゴリズムを応用し、最古の仏教経典の1つとされる『スッタニパータ』から抽出して作成した、Q&Aリストと現代語訳をデータセットとして機械学習。2500年前の経典には現代の文脈にそぐわない内容も多数含まれているため、現代人に理解されうる説法のみを選定し、Q&Aの形に整理した形式でデータセットを作成した。

また、「ブッダボット」はメンタルヘルスやコンサルティング、教育産業などの分野への応用も期待されており、学術界、産業界、宗教界に影響を与える可能性があるとしている。

学術界は、AI最後のフロンティアの一つとも言うべき宗教分野への参入や、古代の仏教経典の現代的価値の科学的分析などの可能性がある。

産業界は、人の悩みを解決するためのツールとして、カウンセリングや悩み相談などのメンタルケア分野への参入などが期待される。社会の諸問課題の解決ヒントとしてコンサルティングにも応用できる可能性もあるという。

宗教界は、AIを通じて柔軟に、インターネットを通じて広く、仏教の「教え」が悩みを抱えた人のもとに直接届くことで、形骸化した観光仏教・葬式仏教ではなく、仏教の本質である「幸せになるための教え」が主役の座を取り戻すとしている。

ただし、本技術は回答精度の低さ、誤用、意図的な悪用などによりユーザーを誤った道に導く危険もあるため、当面は学術利用およびモニター利用のみで、不特定多数への一般公開はしない予定とする。

将来的に一般公開し、誰もが利用できるようになった場合、僧侶の仕事が奪われてしまうのではといった懸念も生じうるが、僧侶側が本技術を積極的に活用することで、宗教とAIとの共存可能性を模索できるとしている。また、宗教によっては紛争を引き起こす可能性があるため、当該宗教の教学者の見解をしっかりと尊重し、他宗教への安易な技術転用は避けるべきであると見解を示した。

>>ニュースリリース