「LINE BRAIN」でAIのBtoB事業参入──#LINECONF AI系発表まとめ

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6月27日、LINEが新たなサービス、プロダクトを大々的に発表する「LINE CONFERENCE 2019」が開催された。本稿ではAIに関する発表をまとめた。

「CLOVA」はBtoBtoCサービスになる

発表を担当したLINE CSMOの舛田 淳氏は、「LINEの自社サービスを最適化し、高度化するにはAIが不可欠」とし、AI企業へと脱皮するべく準備を進めてきたという。

そのひとつが「CLOVA」だ。これまでスマートスピーカーとして提供していた「CLOVA」内部の音声認識エンジンを外部提供し、BtoBtoCサービスへ進化するという。

第一弾としてリッチモンドホテルへCLOVAを提供。ホテル客室内の操作などをCLOVAを介して行えるようにする。

そのほか、好きなキャラクターと一緒に暮らせるバーチャルホームロボット「Gatebox」にCLOVAが対応し、キャラクターがCLOVA型のアシスタントを呼び出すことで質問などに答える。こちらは秋以降に発売予定だ。

トヨタと提携「LINEカーナビ」

LINEはカーナビにも参入した。トヨタと協業し、トヨタのカーナビエンジンとCLOVAのUXが融合したスマホアプリを発表した。

地図は1週間単位で更新され、常に最新の状態が保たれる。また、電波がない場所でも利用できるという。

スカパーとLINEが作る次世代型テレビ

スカパーと協業し、動画解析、画像認識技術を活用した次世代型テレビを開発する。

LINEのBtoB事業を発表「LINE BRAIN」

LINEはこれまで社内でAI技術を活用してきており、今後、「LINE BRAIN」というブランド名で社内で“鍛えた”学習済みAIをBtoBで提供していくと発表した。

提供する機能は以下の通りだ。

チャットボット

LINEでは、サードパーティ製のチャットボットが多数生み出されてきた。そのノウハウを活かしたチャットボットになるという。

OCR

LINEの画像認識技術を活用したOCR。国際的なコンペでも圧倒的な認識精度を獲得したという。活用領域としては、フォーマットがバラバラな文書の認識、スマホでレシートを撮影し情報読み取りなど。

Speech to Text

音声認識により、リアルタイムで会話を書き起こす。また、音声認識の開発パートナーとしてDialpadと提携し、日本語認識の精度を高める。

和製Duplex?電話対応AI「DUET」

また、あらたにLINEのSpeech to Text、チャットボット、Text to Speechの技術を組み合わせた「DUET」を発表。「Google Duplex」のように電話対応をするAIだ。

音声合成の難しさ、一般回線で音声を正しく認識する性能、曖昧な会話でも理解する対応力がポイントだと舛田氏は語った。

Googleが同様のサービス「Google Duplex」をすでに展開しているが、DUETは日本語というのがミソだろう。膨大な日本語の会話データが必要なため、日本ではLINE以外に同様のサービスを展開できる企業は限られる。

――舛田
「DUETは現時点では予約、予約変更、キャンセル処理くらいしかできません。会話が成立するのはレストラン予約という限られた状況だからです。しかし、それでもレストランの人材不足という課題を解決できると思っています」

DUET含め、LINEはLINE BRAINについての発表会を7月23日に改めて行うとのことで、続報を待ちたい。

復活したLINEの検索サービス。AI検索「LINE Search」

舛田氏はかつて、LINEで「Naver検索」という検索サービス事業を行っていたが、撤退した経験があるという。今回、LINEは新たな検索サービス「LINE Search」を発表。検索サービスに再び参入した。

――舛田
「LINE Searchは統合型検索です。コミュニケーションサーチ、コンテンツサーチを足し合わせたものです」

まずは、「」と「ロケーション」の2点に注力し、検索精度を強化していくという。

「人」軸でリリースされたのが、「LINEインフルエンサー検索」だ。昨今、個人が発信する情報が非常に重要な意味を持つようになっている。

若者の間でも、何かを知りたいと思ったら、TwitterやInstagramで詳しい人を探すのがトレンドだという。カテゴリごとのインフルエンサーを検索が可能だ。

また、LINEはこれまで1to1でコミュニケーションが可能なプラットフォームとして、占いやトークCAREなどを提供してきた。その延長線で、「LINE Ask ME」も発表。さまざまな専門家を検索し、見つけ、相談できるサービスだ。

そのほか、弁護士ドットコムと連携し、LINE上で法律相談ができるサービスも発表した。

また、「ロケーション」軸では、グルメとスポットに焦点を当てる。すでにリリースされているグルメレビューアプリ「LINE Conomi」や、お出かけ情報をレビュー、記録できる「LINEステップ」などのサービス展開を進める。

関連記事:【LINE CONOMI】レシートから30秒でグルメ情報が記録できるAI搭載アプリを使ってみた

ますます注目、LINEのAI

LINEは今後、LINE BRAINとLINE Searchをかけ合わせ、あらゆる情報をLINE上で検索できるようにするという。

LINEはすでにtoCサービスで相当の数のサービスをリリースしているが、今回、LINE BRAINによってtoBにも踏み出したことは注目だろう。LINEが「日本のGAFA」としてAIを引っ張っていくことに期待したい。