LINE株式会社は1月28日、新型コロナウイルス感染症(COVID‑19)のワクチン接種に関し、コミュニケーションアプリ「LINE」および人工知能(AI)技術を活用した「新型コロナワクチン接種予約システム」を提供すると発表。なお、ワクチン接種は今後、国の指示のもと、都道府県の協力により、全国の市町村において実施されると見られる。
LINEによると、先日、厚生労働省より新型コロナウイルスワクチンの接種体制に関する発表がされたことにともない、現在全国の各自治体において接種の準備が進められている状況という。
今後、「電話がつながりにくく、接種予約が取りづらい」「予約や問い合わせに対応するコールセンターでリソースが不足している」といった、接種開始までの体制構築や接種実施方法の策定のなかで、さまざまな課題が考えられる。LINEはこのような背景を受け、住民からのワクチン接種予約を「LINE」で完結できるようシステムを提供するとしている。
本システムでは、自治体のLINE公式アカウントを通じ、自治体から通知される接種券の券番号などを入力することで、ワクチン接種の会場や日時などを予約・変更できる。新型コロナウイルスおよびワクチン関連情報へのアクセスも可能。チャットボットにより、よくある質問への回答も同アカウントから可能になる。ただし、具体的な仕様は、導入自治体および開発会社により異なるという。
現在、本システムはすでに神奈川県寒川町、和歌山県紀の川市など全国約100の自治体が導入を決定・検討しているとのこと。
本システムにおいては、各自治体のニーズにあわせ、より職員負担が少なく、住民にとっても便利な予約フローの実現をAI技術で支援するとうたう。たとえば、接種券の券番号などを住民が直接手入力するケースでは、誤入力の可能性があり、職員による確認作業の発生が考えられる。文字認識技術「CLOVA OCR」を活用することで、誤入力を防ぎ、職員の負担を軽減するとうたう。
文字抽出の支援による作業効率化のほか、接種券の使用可否を見分けたり、予診表に記入した手書き文字をデータ化したり、職員の負担軽減に役立てられるとする。
LINEは「LINE」を活用したシステムだけでなく、電話対応についても、LINEのAIソリューション「LINE CLOVA」で支援する。多量の電話対応が発生した際の現場のリソースの圧迫や、住民から「忙しくて時間内に電話できない」「かけても電話がつながらない」といった事態が発生することに備え、LINE音声応対サービス「LINE AiCall」で電話対応を自動化できる。これにより、24時間受け付けが可能なうえ、多量の電話にも同時に対応可能になるという。
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新型コロナ2月20日まで陽性者数22万5875人 GoogleのAI予測
なお、米Google(グーグル)が2020年11月17日に公開した、AIを活用した新型コロナウイルスの感染予測サービス「COVID-19感染予測(日本版)」では、2021年1月24日から2021年2月20日の4週間にかけて、日本全国での陽性者数は22万5875人、死亡者数は4471人におよぶと予想される。そのほか、詳細は以下のページを確認してほしい。