おはようございます。アズマです。唐突ですが皆さん『PSYCHO-PASS』って作品、ご存知ですか?
ざっくり言うと近未来SFで、人間の生体力場?かなんかから心理状態や職業適性、深層心理を分析・数値化して見える化した一種の管理社会を舞台にした物語。なんですが、まぁ知らない方は以下をザッと読んでいただけば良いとして…。
今回ご紹介するのはこれにちょっと近づいたかも?なんて思わせてくれるAIサービス。管理業務(マネジメントとか)の大部分を代行してくれる『AI監視ツール』です。
非常に情けないことに僕自身はつい最近まで存在すら知らなかったんですが、搭載されているのは完全 Made in Japan の人工知能だったりします。
離職の兆候を検知・分析?ちょっと怖いけど『使える』AIコミュニケーション監視ツール
Lit i View AI助太刀侍
国産人工知能の最高峰とも言われる、UBICの開発したAIエンジン『KIBIT』を搭載したこのサービス、なかなかやってくれることがトンデモです。
- 管理者のマネジメント基準を学習して社内外でのやりとりメールを自動仕分け
- 人間の4,000倍という速度で『文書の意味』を判読
- もちろんAIなので自律学習し判別制度は日々向上。ダッシュボードで一覧管理
- コミュニケーション相関図を自動作成し「やりとりの濃さ」「親密度」などを検知
- API完備で外部サービスとのやりとり(外部CRMや各種グループウェア、SNSに某掲示板まで)も監視・管理可能
て… 怖い怖い 怖い怖い怖い怖い!!!
具体的な処理としてはメールや書き込みなど、特定ネットワーク(社内LANなど)を介した情報を取得。文章内の単語に反応するのではなく、『文章の組み合わせから導き出される暗黙知部分』を類推。
要するに『それっぽい単語が含まれない文章』からの感情未満の兆候をキャッチし、アラート告知を行っていくことが可能なんだとか。
例えばこんな感じ

転職先、こっちに比べると給料もいいですし、早く帰れるらしいじゃないですか。
佐藤くんもこの間転職しましたし、僕もそろそろここには見切りを付けて1~2年の内に大阪に戻ろうかな…と。
時間があれば、来週出張でそちらに行くので相談できません?
⇒ 転職の準備をはじめています!個別相談などでフォローを!

愚痴はともかく、あと3時間くらいで帰れるように頑張る。本当ごめん。
⇒ 適正な評価がなされていないことにストレスを感じている可能性あり!

⇒ 特定リーダーからのパワハラが発生している可能性あり!対応を!
とまぁ、そんな感じのアラートが自動で、しかも日々精度を上げつつマネジメント層へ流れていく。ということですね。
いやこれ、手間が省けるどころかマネージャー半分くらいでいけんじゃね?とすら思わせてくれちゃいます。
そもそも人間の脳オンリーでは『マネジメント業務』って無理無茶なのかもしれない
上の事例だけだとピンと来ないかもですが、これ、以前からあったマネジメント支援ツールとは全くの別物。
従来の登録ワードの検知型ではせいぜい「ネガティブワードを登録してひっかかったらマイナス感情」くらいしかできなかったところが、このKIBITによって『○○ってことは■■の可能性あるよね?』と意味を理解した上での通達が可能になっているんです。
これって、実際かなり活用の幅広いです。例えば以下のような無理無茶だけどあるあるなやつとか…
- 100人超の社員を抱えた経営層が社員の日報を全部見る
- 数十人の部下や派遣した社員などのフォローをマネージャーが完全対応
- 大規模プロジェクトのPMが全メンバーのモチベーション管理
まぁ考えるまでもなく、そんなの無理に決まってるんですよね。
でも実際にはそこを期待されてアサインされてしまうし、タスクとして持たされてしまう。
で、結果何もかも手が回らなくなって「マネジメントってなんだっけ」状態になってしまって…。
こういう現場の『あるある』な所にAIによるアシストがもっと入っていけば、
例えばポジティブな報告にもアラートを付けて評価しやすくしたり
疲れてそうな人を適切にフォローしたり…などなど。
色々「普通じゃできなかった対応」が可能になっていくのかも知れませんね。
ぱっと見ディストピア感ハンパないサービスですが、実際の使い道を想定するとなかなか確かに使えるシーンは多そうな気がしてきます。ていうか、普通に欲しいです。
国産超機能AI『KIBIT』が目指す未来
さて、今回はちょっと煽りめのタイトルから国産人工知能『KIBIT』のサービス展開を一例だけ紹介してみましたが、実際には既にかなり幅広い展開を始めているAIだったりします。
その特徴をちょびっと紹介するだけでも
- 意味を理解できるため教師データの登録が数件~数十件程度でOK
- 純国産なので調整・カスタムが早くしかも(Wats●nより)廉価で実装可能
- 既に日本語・英語・中国語など複数の言語に対応済み
こんな感じです。
変態ですね。
過去にはわずか5件の教師データのみでユーザーボイスの感情判別を98%超の正答率で処理した実績もあるとか言ってましたが、ちょっとにわかには信じがたい数値(通常であれば数万~数十万くらい必要)ですよね。
で、まぁ当たり前っちゃ当たり前なんですが、その(異常な)実装のしやすさから、営業機会の検知やクレーム検知、ECなどのユーザーボイス解析など。僕が知らなかったってだけで、もう結構あっちゃこっちゃで活躍中なんだそう。
言語を理解し、意味を把握し、その向こう側にある『感情』を類推する 国産AIエンジン『KIBIT』がこれからどんな活躍をしてくれるのか。今後は見逃さないよう注視していきたいと思います。
ではではー。