ども。中村です。
日本国内でもいよいよ本格的に耳にするようになってきた、MA(マーケティングオートメーション)。2020年には約240億円市場にまで拡大するとも言われ、デジタルマーケな界隈でも注目が集まりまくっているところ…では、あるんですが。
なんというか、イマイチ効果とか予算とか活用・成功パターンとか失敗パターンとか、とにかくそういう情報が少なく、興味はあっても「その先」に踏み込みにくい感じがしちゃうんですよね。
というわけで、今回は日本国内においても人気のマーケティングオートメーション大手『Marketo(マルケト)』に直接訪問!よく分かってない所をそのまま聞いてきてみました。
今回(ほぼそのまんま)聞いてきた質問
- 実際、どの程度の効果があるものなんですか?
- で、それってお値段おいくらなんです?
- MA導入を上手いことやるための条件とかあります?
- 逆にダメなケースってどんなパターンですか?
どこの企業のデジタルマーケ担当も「気にはなるけど中々検討段階では聞けないじゃん?そういうの」といった内容を、まんまぶつけてみました。
傍若無人な質問に優しく答えてくれたのは、株式会社マルケトの大里紀雄さん。
ほんと申し訳ないほどそのまんま聞いて来ましたので、以下ぜひぜひ参考にしてみてください。
5ヶ月ちょいでCVR23%UP & CV数69%増!?あり得ない数値を叩きだしたECサイトのMA活用事例
―さて、さっそくですが直球でいかしていただきます。ズバリ、マーケティングオートメーションってどの程度効果があるもんなんですか?

もちろんケースによるので、一概に「これだけ成果が上がる!」と言えるものではありません。が、僕の担当していたクライアントさんで最近の事例だと、こんなのがありますね。
そういって教えていただいた事例は、なんと実に CVRで23%強、CV絶対数で69%の増加 を達成し、今なお伸び続けているというクレイジーなもの。
実際にやったことを図とリストにまとめてみましたので以下ご覧ください。
上記事例のざっくりまとめ
- BtoC 単価数千円の商材を売るECサイトでの話
- メアド入力でカタログDLを初期アクションとして設定
- ダウンロード後、3日経ってサイトに再訪問してなければフォローメール自動送信
- フォローメール開封でステップメール開始
- 未開封のまま10日が経過したらフォロー再送
- 再送フォローメールも開封しない場合、1ヶ月後に値引きクーポンメール送信
ちなみにこれによりメルマガの開封率は元々の20%から30%へ向上。
だけでなく、これらのユーザー行動をスコアリングし(例えば開封までの時間やCTRなどで点数を付けて)、よりロイヤリティの高いファンユーザーを明確にすることで営業効率を極端に効率化。
広告費用では20%近いコストカットを成功させ、競合との価格競争地獄から抜けだした…らしいんです。
いやいや。嘘でしょうってほどできすぎた話ですが、本当だとするとやっぱり気になるのは…『お値段』ですよね。
大丈夫。聞いてきましたよ。
ていうか、教えてくれるものなんですね。ちょっとビックリ。
初期投資は思ったよりもライトな印象。でも意外なコストが…?
―はい。というわけで気になるお値段ですが、実際、マルケト導入ってどの程度のコストがかかるものなんですか?

これもケースによりますが、最小構成価格は月15万(年額180万)~月25万(年額300万)ですね。自由にカスタマイズできますので、活用用途に合わせて必要な機能をご購入いただけます。
とはいえ、大事なのは導入の『後』にどれだけ本気になれるか?なので、この価格だけでの判断は、僕はおススメしませんけどね。
大里さん曰く、結局の所MAによる成果を上げるのは
『ウチのお客さんなら、○○な時に▼▼なことされたら■■って思うんじゃないか?』
『じゃあこういう形で接点を設計してみたらどうだろう?』
という、いわゆる仮説検証のプロセスなんだとか。
確かに上述の事例一つ見ても、イチから考えて試してブラッシュアップして…てのは相当な労力(人的コスト)がかかりそうですもんね。
もちろんたった一人で考えて動かして、ってのは不可能でしょうし、組織としてどこまで本気になれるか?ってのが成功するためのルールと言えるのかもしれないですね。

まさにその通りですね。
例えば上長だけが『MAすごい!これ導入するぞ!』と盛り上がってしまい、現場が『やらされている』ようなケースでは成果は上がりにくい傾向があります。
どこまでチームが自分事として考え、議論と仮説検証を繰り返せるか。ここはもうあらゆるビジネスにおいて共通といえるかも知れないですが。
なるほど。言われてみればごもっとも。あくまで運用の支援ツールですもんね。中の人が頑張らなければ何も始まらない。と。
ちなみに、MA導入後に成果までたどり着きやすい条件としては、他にも以下が挙げられるそうですよ。
MA導入後に成果を上げやすいケース
- 自社の商品やサービスにおけるLTV(Life Time Value)がある程度明確
- CPA、CPCなどの数値を仮説検証・運用するチームが把握できている
- 導入意志がトップダウンではなくボトムアップで上がってきている
- 業態としてはBtoBや、冒頭の成果の上がった事例のようにECサイトでも成果を出しやすい
- BtoCでも不動産や保険など、訪問 ⇒ CVまでの足が長いものはキレイにハマりやすい
もちろん、この条件に現段階で当てはまるかどうか?で成果が約束されるわけでも失敗が確定するわけでも無いでしょうが、MA導入を検討するならちょっと振り返っておきたいですね。
ちょっと待ったほうがいい?MA導入が上手くいかないケースと対処法
―もうかなり聞いてしまった気がしますが、せっかくなので改めて聞いちゃいましょう。あえて『これは…』というNGパターン、教えていただけますか?

これはある意味ハッキリしていますね。前述の「上手くいくための条件」が満たされていないケース。つまり、それまでLTVやCPAなどを全く取ってなかったような『マーケティング自体やってなかった場合』が明確なNGケースに当たります。
オートメーション(自動化)する対象がフワフワなんですから、当然活用には多大な労力が必要になってきます。
たとえば・・・
と、大里さんがNGな一例として教えてくれたのは以下のような事例。
- 顧客データが(紙やローカルExcel、別サーバーなど)方々に点在してしまっている
- 旧来のルールに縛られて「○時以降にメールを送るのは失礼では?」なんて考えてしまい、結果仮説が創れない
- あらゆる施策について「他社事例見せてくれないと検討できない」と、自社ユーザーと向き合うことを放棄している
- そもそもオートメーションによって何がしたいのかフワッとしている
- 自社のこれまでの方針や実績に引っ張られて議論が進まない
うーむ。なんというか、すごく『あるある』な気がします。
つまりあくまで「これまでちゃんとやってきた」ことがある程度条件になり、そこからのさらなる進化として導入。
もしくは導入をきっかけに一気に色々整理する!と決め、そのための人的コストを含めて投資できるかどうか。ってとこなんでしょうかね。
魔法の杖ではない!…と、分かってはいましたが、中々難しいんですねぇ。

ですね。カンタンでは無いと思います。そもそもビジネスそのものがそう単純でカンタンなものではないですし
なので、そのためにもマルケトでは色々用意してるんですよ?
他社事例学び放題?ちょっと凄いマルケトのコミュニティ体制
はい。というわけで広告…ではないですが、以下大里さんに教えていただいて僕自身がビックリしてしまったので、マルケトのすごいとこを紹介してみようかと。
まずマルケトにはフォーラム機能がついてるんですが、これ、中身読むと結構ごっついんですよ。
- A社担当『○○のような場合、どんな感じでスコアリングしてますか?』
- B社『ウチはこんな感じでやってますよ』
- C社『弊社は○○のようなユーザーさんには■■して▼▼なルールでメール送ったら効果ありましたよ』
こんな感じ。
さらにユーザー感のコミュニティも活発で、マルケト主導のもと月に1回ユーザー間(つまり契約している各社マーケ&デジマ担当者間)での事例発表・勉強会を開催しているんだとか。
いやいや、なかなかあり得ないことやってますよね。これ。
マーケティングデータやそのスコアリング ⇒ 施策化の具体的な手法 + その成果について…て、どこの会社でも大抵は confidential 扱いですよね?
にも関わらず、マルケトユーザー間ではそこを上手いこと共有して、「ユーザーへのおもてなしを本気で考えよう」と共有化を推し進めてしまっているらしいんです。
基礎的な知識は「マーケティングオートメーション完全ガイド」の無料DLで
で、その手前。
そもそもマーケティングオートメーションって何?どう扱うの?スコアリングって何?仮説検証って何?
みたいな疑問には、無料でダウンロード可能な『完全ガイド』を用意。
さすがですね。完璧です。
もちろん、これをダウンロードすると「ついつい使ってみたくなるMAネタメルマガ」がスタート ⇒ 開封後のアクションや開封タイミングによって分岐するMAサイクルがスタートするわけですね。
この記事を読んで「興味湧いた!」という場合。とりあえずまずはこれをダウンロードしてみて、ガチMAに触れてみるってのも、いいかも知れないですね。
大里さん、お忙しいところ本当にありがとうございました!