いま、AI(人工知能)の開発へのハードルを下げる取り組みが始まっている。2月18日には、企業向けとして株式会社ヒューマノーム研究所がプログラミング不要のAI開発用のワークステーションを発表した。
これに追従するように、今回、株式会社MatrixFlowが2月26日に、プログラミング不要のAI構築プラットフォーム「MatrixFlow」に個人ユーザー向けのプランが追加された。
MatrixFlowはデータさえあればさまざまな機械学習モデルを作成できる
株式会社ヒューマノーム研究所が発表したAI開発用ワークステーションについてはこちら
月額2980円でAIを開発できるプラットフォーム
MatrixFlowは「必要なものはマウスとブラウザのみ」とうたうほど、非常に手軽なAI開発環境サービスだ。もともと、法人向けプランを用意していたが、一部機能を低価格化し個人向けに提供することになったそうだ。価格は月額2980円(税別)。
無料プランとライトプランの違い※ベーシックプランについては要問い合わせ
公式サイトによれば、MatrixFlowは、課題の特定から提案、データの抽出支援、モデル構築、運用までサポートしてくれるとのこと。数値、テキスト、画像それぞれのデータを扱えるため、自社データを準備するだけでいい。
もちろん、業界や職種を問うこともないので、不良品の判別、売り上げ予測、需要予測など、幅広い領域で機械学習モデルの作成が可能だ。
同社のプレスリリースに記載されているが、「データサイエンスを始めるためには、自身でパソコンの環境を構築し、プログラミングができるようになることが必要」だと語られている。この過程で挫折する人も多かったため、より直感的にさらに迅速にデータサイエンスを始められる環境が求められていたという。
なお、通常の法人向けなどの「ベーシックプラン」についての詳細はMatrixFlowの公式サイトから問い合わせる必要がある。
>>MatrixFlow
>>プレスリリース(PR TIMES)
AIはまず作ってみること、そして興味・関心を持たせる
多くの企業にAIの導入が進まない。コストや人員などの超えるべきハードルはいくつもあるが、「具体的にAIがどういうものなのかわからない」「何ができるのか知らない」という会社も少なくない。
MatrixFlowのように、簡単にAIモデル開発ができるプラットフォームを提供する株式会社グリッドは、高校生向けに2週間にわたって「AI開発に挑戦する」授業を実施した。
詳細は上記の記事で確認いただきたいのだが、「開発過程での工夫や気づき」が授業最終日に出るなど、AIに対して「何ができるのか」「そのために何が必要なのか」などを実際に開発したことで知れたという。
AIという技術がさらに幅広く利活用されるためには、プログラミング不要で使えるMatrixFlowや株式会社ヒューマノーム研究所のワークステーション、グリッドのような実体験が可能な授業やワークショップの開催が大きなカギを握っているのかもしれない。