エンタメだけじゃない。医療現場でのVR事例まとめ

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みなさんこんにちは。ひろきです。

PS VRの発売が先日発表されましたね。家庭用ゲーム機としてはめずらしく即売り切れ状態になるなど、盛り上がりを見せています。

そんな「VR元年」といわれる2016年。現在は主にエンターテイメント目的での開発がなされていますが、今後は様々なビジネスの分野での開発が進んで行くと思います。

というわけで、今回ご紹介するのはそんなホットなトピックのなかでも先駆けて医療の現場で導入されたVRたちです。

目次

医学生の育成に大革命!VRによる手術体験

まずは外科で使われているVR技術の紹介です。なんと人材の育成に役立てているとか。

学生時に手術現場に立ち合うことなんて滅多にないと思いますが、VR技術があれば可能になっちゃうんですよね。

現場を生視聴。手術現場をリアル体験

今年の4月にロイヤルロンドン病院で世界で初めて手術のライブ放送が行われました。

360度撮影することができるカメラを患者の上に設置し、学生に向けたライブストリーミング動画の視聴を実施したとか。Google cardboard VR headsetやスマートフォンでドクターの作業の様子をみることができたそうです。

普通では実際に見ることができないものもVR技術を使用することで、現場にいなくても疑似体験することができるようになりました。人材の育成にはもってこいの技術といえそうです。

VRで職業訓練が可能に!?模擬手術を擬似体験

医学教育のためのVR医療シミュレーターを、カナダのConquer Mobile社が開発しました。この技術を利用することにより、外科医はバーチャル患者に手術を施すことができます。

重要なのは、自分が手術の現場に実際にいるようなまるでリアルな体験ができること。VRヘッドセットとコントローラーを用いて、インタラクティブなバーチャルスペースを作り出し、動作ができるようになっています。同じように、Neuro Touchという脳腫瘍を摘出するシミュレーターがカナダ国立研究機関によって開発されているそうです。

医学生を教育するにあたって現場での経験って大切だと思います。今はまだVRによるバーチャル訓練がどの程度効果があるのかはわかりませんが、今後の開発次第ではいろいろな教育現場での応用もできそうですね。

疑似体験療法で恐怖を和らげる

心理療法の分野でもVRは使われています。具体的には、VRでの疑似体験を通して症状を改善しようという取り組みです。

ほかの活動で気をそらす。バーチャル疼痛管理

人間の痛みを感じる原理として、心理的な要素は大きく関わっています。感じる痛みを減らす試みとして、VRが使われています。

Oculus riftを使用し、患者の注意を他のことへ向けることで疼痛管理を行っているそうです。スウェーデンでは同じ方法で幻肢痛の治療装置を開発しているよう。

患者にあえて恐怖体験をさせる。PTSDの緩和装置

Bravemindというこの装置は、VRを使った暴露療法(VREセラピー)を行うものです。トラウマな記憶や恐怖体験をあえてもう一度体験することで、克服を目指すことを目的としています。

アメリカではHome Baseというプログラムがあり、特にアフガン、イラク兵士を中心としたPTSDの克服のためのVRセラピーを行っています。

擬似体験だからこそできる。恐怖症・パラノイアの克服

例えば高所恐怖症や対人恐怖症など。現実世界で克服しようと思ったら、時間と労力と危険が伴う可能性がありますが、VRを利用すればほぼ同じような体験をすぐに、安全にできる利点があります。例えば、地下鉄での人混みといった状況をバーチャルで再現して、体験することができます。

これらの一番の利点は、患者が従来の治療法であった注射や飲み薬等の服用をしなくていいことじゃないかと思います。薬品で症状を抑え込むのではなく、自然に近いかたちで克服することが可能になったことが革新的ですね。

人命救助トレーニングや患者の状態をより深く知るのに使われるVR

他にもVRの事例があったので、まとめて紹介しておきます。

人命救助のトレーニングにも。多種多様の状況に対応

Sim Xというこの装置は、マネキンによる模擬トレーニングでは実現できない様々な状況をARとVRを使って作り出すことができます。これによって、様々な環境や状況に応じた人命の救助のトレーニングが可能となっています。

患者の体のデータを3D化。バーチャル探索を使った精密検査

HTC Viveの装置を使ったバーチャルグラフィックスで、人間の体内を詳しく観察することが可能。上の動画では、ドクターが脊椎骨折と脳腫瘍を3Dで立体視しています。

頭の動きのトラッキングとモーションコントローラを使うことで、いままでの技術では見落としたりする可能性があった体内の問題を発見することが可能になりました。どうやって体内をスキャンしているのかすごく気になるところです。

まとめと今後の課題

バーチャルの体験が実際の経験として、人間の心理に作用する、ということは言葉ではわかっていましたが、医療現場でのVRの導入によってそれがさらに明確になった気がします。

  • 医師それぞれのスキル可視化
  • 専門的医療知識のオープン化
  • これに紐づく人材や情報の流動化

これらが可能であれば、もしかすると既得権益を超えて『フリーランス医師』のような新しい人材も生まれるかもしれませんね。

VRが今後他の分野に進出するためには何が重要なんでしょう。

VR技術の利点である「体験者を安全な別の空間に繋ぐこと」によって、いかに単なる「受動的な疑似体験」を「価値ある経験」にするか、が今後の課題だと思います。

例えば車の運転や機械操縦の訓練をVRの使用によって、さらに効率化させることも可能かもしれません。しかし一方で現実であれば命にかかわるような体験でもあるので、仮想と現実の線引きをいかにするか、ということも重要になってくると思います。

VRによって「体験」のハードルは下がりますが、その「体験」が身近になることで心理的なハードルが下がるのは問題ですよね。

今後の開発が楽しみです。ではまた。