こんにちは。ひろきです。
僕自身、このLedgeってメディアに関わってそろそろ2ヶ月くらいですが…まぁ、なんていうか色々悩ましいですよね。メディア運用って。
- コンテンツメディア運営は儲からないのが当たり前
- 広告出せばユーザーに嫌われるし
- あんまり金稼ぐ部署でも無いもんだから社内での立ち位置もちょっと微妙…
みたいな。(いやLedgeは社内で割と人気なんで良いんですが)
まだ日本ではそこまで隆盛ではないものの、最近ではアドブロッカーも進化してきて、広告運用でやってるメディアにとっては『それがユーザーのためだ!と分かってるけど勘弁して…』な状況になりつつあります。世界的にも。
で、今回のネタなんですが、そんな切ない状況を打破する一手になるかもしれない「UXを損なわないアンチアドブロッカー」のご紹介です。
[blogcard url=”http://www.marketingtechnews.net/news/2016/jun/16/native-ad-network-launches-new-anti-adblocking-technology/”]http://www.marketingtechnews.net/news/2016/jun/16/native-ad-network-launches-new-anti-adblocking-technology/[/blogcard]上記の記事に書かれてるんですが、PageFairとAdobeによる2015年度のアドブロッカーについてのレポートによると
- 世界のメディア運営者側が ”アドブロッカーによって被った損失”は220億ドル(≒2.5兆円くらい)の損失
- アドブロッカーのアクティブユーザーは世界中で約20億人くらいいるらしい
- しかもこの数字はそれぞれ、わずか1年で前年より41%も伸びている
とかなんとか。
そこで開発されたのが今回ご紹介するツールみたいです。『ユーザーのUXを損なわずにアドブロックの動きをキャンセルさせる』とのことですが…?
さてその内容は?実務で役に立つ可能性は?
複数メディアのリリースをすりあわせて、ちょっとまとめてみました。
MGIDが手掛けるAnti-ad blocking の技術
MGIDはネイティブアドネットワーク事業を展開する米国に本拠地を置く企業で、主にマーケティングソリューションを提供しています。
で、今月の初めにはアドによる収益を100%保つと謳うアンチ・アドブロック技術を発表しました。
IABによるDeal Conceptをベースとしているらしく、同社が言うには、サイトの再コーディングの必要はなく、パフォーマンスを下げることもないとのこと。
特許出願中の進化したエンジンは地理やデバイスといった数百の要素を分析し、消費者がオンラインのコンテントとどのように相互作用していくかを予測。
メディア運営側と広告主間のやりとりをより効率化できるようになるそうです。
3段階のリアルタイムアンチ・アドブロッキング
MGIDにより提供されるサービスは3段階のレベルに分類されています。
ユーザーがwebページを開くと自動的に使用にしているアドブロッカーを検知し、そこから各Levelの対応がされる仕組み。
ちなみにここでのLevelはユーザーのアドブロック解除の効果度、を示しています。
Lv.1 ユーザーにアンチアドブロッカーを認知させる
- ダイアログウィンドウを表示
- ユーザーはそれを無視するか、アドブロック機能をそのページで無効化するか、選択肢を与えられる
Lv.2 ユーザーのコンテンツアクセスを制限
- 表示されているページの可視度を下げ、ダイアログウィンドウを表示
- ユーザーへコンテンツ閲覧のためのアドブロックの無効化を要求
Lv.3アドブロックに消されたアドを強引に再挿入
- アドブロック機能を自動的に迂回、アドを表示
- その旨をユーザーへダイアログボックスで表示
いったいどれぐらいの効果が?
なかなかゴッツイ機能ですが、実は既に稼働自体は(クローズドで?)開始されているらしく、MGIDによると1と2を使用する企業は40%。3までなら100%の成功率を予測しているんだとか。
1はユーザーへの通知頻度をパブリッシャー側がコントロール可能で、1ページに付き1回、またはデフォルトの60秒ごと、という設定ができるようです。
2はユーザーがアドブロックを無効化するまでページごとに通知を表示。
3の機能はユーザー側がGoogle Chromeを使用している場合は自動的に機能するようですが、他ブラウザーを利用している場合はパブリッシャー側のセットアップが必要だそうです。
3は特にUXを下げずに広告を表示することが可能なので、アンチアドブロッカーとしての機能としては確かに効果はありそう。
ただ正直、1そして特に2は場合によってパブリッシャー側は損をしてしまうのでは?と思ったり。
日本ではまだまだ不要?とは言え、そう遠い未来ではないかも
Reuters Instituteが発表したDigital News Report2016によると、実は日本ではアドブロックはそこまで普及はしておらず、利用者はたったの10%。
これは認知度の低さ故か、広告のコンテンツ故か、わかりませんが、世界と比べると関心も低いようです。
まぁだからといって『ただちに問題はないので対策しなくてよい!』というわけではなく、おそらくこれから増えてくるだろうと予測されてもいるわけです。
いわゆる「誤クリック」を誘発するアドや、リンク先が全く別に繋がっているものなどなど。UXを損なう広告が出回る中で、有益な情報をなんとかユーザーに届けるひとつの策として、アンチアドブロックが上手くアドブロックと共存できるといいのかもしれませんね。
ではまた。