年間2000件の死傷事故をAIで減らす 三菱重工がフォークリフト人検知システムを販売開始

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三菱重工業株式会社と三菱重工グループの三菱ロジスネクスト株式会社は、大型フォークリフトの運転時にAIで人の接近を検知・警告する機能をもつフォークリフトAI人検知システム「グッドファインダー」を、全国の三菱ロジスネクスト販売店を通じて販売開始したと発表した。

「グッドファインダー」はAI映像解析技術により、計11台の監視カメラで捉えた映像から人だけを高速・高精度で判別して、運転者に危険を知らせるもの。車両と人との接近を検知すると、警告音とLED点灯により周囲の安全確認を促す。

車体との衝突や転倒による下敷きといったフォークリフトの事故は年間約2,000件発生しており、2020年の死傷者数は131,156人にものぼる(※)。特に大型フォークリフトのような車体が大きな車両は死角も大きく、ミラーやカメラを搭載しているものの、運転者がそれらを注視していなければ十分な効果が得られなかったという。

フォークリフト事故統計の紹介 ―厚生労働省労働災害統計より―

そこで、大型フォークリフトにおいて優れた車両技術を持つ三菱ロジスネクストと、高い画像処理・検知技術を持つ三菱重工の技術を結集させ「グッドファインダー」を開発し、製品化に至った。

2種類の監視カメラで死角を減らす

監視カメラは近距離用と遠距離用の2種類があり、車速によって検知範囲を自動で切り替える。多数のカメラを搭載して死角を極限まで少なくするだけでなく、深層学習を用いて取得した画像から「車両周囲の人のみを検知する」といった工夫を施し、映像処理時に動作が遅れにくい仕組みになっている。

主な機能は以下のとおり。

  1. 人検知機能
    • AIアルゴリズムを用い、画像前処理と連携した専用のハードウェアにより、カメラに映る人を高速・高精度で検知する。車両の状態に応じ、近距離用と遠距離用の2種類の監視カメラにより検知モード(停止中・近距離監視、遠距離監視)を切り替え制御する
  2. 表示機能
    • グッドビューアモニタの周囲に配置したランプユニットに人を検知した方向(4方向)を表示する
  3. 発進抑制機能
    • さらなる事故発生抑制のため、発進時に人を検知した場合、車両を発生させないようにする発進抑制機能を追加する。運転者の意思により、発進抑制機能を一時解除する機能を設ける
  4. 警報機能
    • 人を検知した際に警告音を発し、フォークリフト運転者に危険を通知する

現在、グッドビューアが装備可能な大型フォークリフトはこちら。

大型フォークリフト(グッドビューア装着車)
– FD-6シリーズ(12-23トン)FD120、FD135、FD150S、FD160S、FD150、FD180、FD200、FD230
– FD-5シリーズ(24・31トン)FD240、FD310

リリースによると、今後も三菱重工と三菱ロジスネクストは、それぞれが培った技術を活用した共同開発を実施し、フォークリフトの作業性向上のみならず、フォークリフトによる事故の削減とより安全な作業環境の実現に貢献していくという。

>>プレスリリース