AIで地球を再現した驚異的なゲーム「Microsoft Flight Simulator」が発売

Microsoft Flight Simulator
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Thumb-nail photo on ©Microsoft

運転免許の次は航空免許を取ってみるのはいかがだろうか。

世の中のパイロットに憧れる、またはそもそもパイロットである人に愛されてきたゲーム「Microsoft Flight Simulator」が新しくなって帰ってきた。

画質だけならフライトシミュレータゲームより、地球再現システムという名前の方が合っているかもしれない。

モデリングはAI×カメラ×人で構成されている

これまでのシミュレータ系ゲームは、人間のモデラーが精巧に作ったモデルを使っていたものがほとんどだと思うが、このシミュレータは一味違う。

地球の周りを回っている衛生が撮った衛星写真を、Microsoftが運営するクラウドサービス「Azure」に集めてシミュレータに反映させている。いわば今の地球の姿がそのまま映し出されているのだ。

Google Mapなどで衛星写真を見ると分かるが、普通の衛星写真では眼下に広がるのは平べったい画像だけだ。そこで今回活躍しているのが、オーストリアのスタートアップ「Balckshark.ai」と協業して独自開発したAIだという。
BlacksharkはMMo対戦ゲーム「World of Tanks」などで知られるBongfishから独立した、わずか50名ほどの開発チームだ。

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このAIは「真上から見た地形や建物のデータから、側面の形も推測して3Dモデルを生成・補完する」というもの。要は衛星写真から立体的な風景を描いてしまう代物だ。開発のために衛星や航空写真から取得したデータサイズは約2PB(約2,097,152GB)もあった。

さらに、有名な建築物などは、カメラを使ったフォトグラメトリ技術を用いてより精巧に自動生成されている。フォトグラメトリとは、カメラで撮った2Dの写真を大量に重ねて、3Dのモデルを推測し自動生成する技術だ。この方法を使うと、衛星写真に比べてより高精度なモデルが作れるようになり、その誤差は約5cmだという。

そして、空港などメインで使われるモデルは、人間のモデラーによる細かいハンドメイドとなっており、コックピットのモデリングに至っては誤差が0.5mm単位なのでほぼ本物と言っても過言ではないだろう。

こうして作られた地球全体のフライトシミュレータには15億の建造物,3万7000の空港(高精度モデルの空港数はゲームバージョンによって異なる),2兆本の樹木が存在している。

まさに本物のオープンワールドゲームだ。

リアルなライティング効果による絶景

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星の方角、太陽の向き、天気や季節など、実際の地球で感じられるものもこのゲームで感じ取ることができる。

天体観測を趣味にしている人は、カメラのドローン機能を使い、実際に特定の天気で山頂から見える星空はどのようなものになり、どこにカメラを置けばベストショットが取れるかどうかシミュレーションしていた。

太陽の位置によって光の角度がリアルタイムで変動し、その角度に合わせて空の色もリアルタイムで描画される。これによって空、地面、水面に当たるライティングがよりリアルなものになっている。南国のコバルトブルー色に染まった海も見事な再現である。

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雲はポリゴンで作ったモデルとして存在しているのではなく、水蒸気の密度データと飛行機から見た角度で計算をして描画されている。つまりは本当の雲のように、そこに存在しているわけだ。雷雲ならどす黒く、実際になかに入れば視界は白くおおわれる。

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さらに、過去記録された実際の気象情報をゲーム内に反映し、気流の流れなども再現されている。「お客様へお知らせします。当機は30分後に乱気流の近くを航行いたします。揺れが予想されますのでシートベルトをご着用ください。」というアナウンスをする遊びもできるわけだ。(当ゲームにアナウンス機能はない)

まだ発売されたばかりでこのクオリティーだが、今後のアップデートでどのように進化し、どのような領域で活用されていくのか期待していきたい。