Microsoft研究者チームは3月14日、同社公式ブログにて、「AIがニュース記事の文章を中国語から英語に翻訳する際の精度が、人間による飜訳レベルに到達した」と発表しました。
同社の機械翻訳システムは、newstest2017とよばれるニュース記事のテストセットで人間レベルの翻訳を達成しました。さらに、今回の結果は、二人の翻訳者による翻訳と比較され、社外のバイリンガルな評価者によって確認済みだそうです。
また、同社によると「今回の偉業は、自然言語処理におけるもっとも困難な課題のうち、主要なマイルストーンの一つだ」と話しています。
「機械翻訳はすごいけど、翻訳文はまだまだ違和感がある」というのは、機械翻訳を利用したことがある人なら誰もが感じたことだと思います。
ゆえに、人間レベルの翻訳がここまで早く実現したのは驚きですね。
研究結果は、他言語にも応用可能!MS多言語翻訳に活用していく
今回のプロジェクトを率いたMicrosoftリサーチマネージャーのMenezes氏は、「今回の研究に使われた技術は、Microsoftがもつ多言語翻訳の製品に応用することができます。そうすると、複雑な文章やニッチな単語が含まれる文章の正確な翻訳が他の言語でも実現するでしょう」と語っています。
「リアルタイムニュース翻訳」などシステムの課題はまだ残るものの、着実に機械翻訳は前に進んでいるようです。
話者が少ない日本語への対応がいつになるかは未定ですが、「言語による壁の撤廃」を目指す同社の研究。今後の製品への応用が楽しみですね。
参照元:
https://blogs.microsoft.com/ai/machine-translation-news-test-set-human-parity/?wt.mc_id=74788-Preview-dll
https://www.microsoft.com/en-us/research/publication/achieving-human-parity-on-automatic-chinese-to-english-news-translation/