三菱商事、AI企業に1億円出資 廃棄ロス問題など解決目指す

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三菱商事株式会社は8月13日、SENSY株式会社とともに小売分野のAI活用を推進するために、資本業務提携を締結したと発表。第三者割当増資により、三菱商事がSENSYの株式を一部保有する。日本経済新聞の報道によると、出資額は約1億円とみられるという。

>>日本経済新聞の報道

小売業界は、社会問題としても取り上げられる廃棄ロス問題や、労働人口の減少、ニューリテールの台頭などの課題に直面しており、早急に新しい産業構造を模索する必要がある。そのためには、業界全体で、便利かつ、お得な、心地いいとうたう顧客体験を、より低コストで実現することが求められる。

SENSYは、感性を解析するパーソナル人工知能(AI)開発を手がけている。同社は創業時から、小売業界が抱える課題を解決する鍵は「消費行動の理解」であると考え、消費者の「感性」をディープラーニング(深層学習)によって解明する技術の研究開発および、それを活用したソリューション開発に注力してきた。

三菱商事は小売業界はもちろん、食品流通における川上・川中・川下の各領域において、グループ企業や取り引き先を持つ。

今回の資本業務提携の目的は、小売業界の変革や社会課題の解決をともに実現すべく、共同でソリューション開発や事業推進のためのプロジェクトチーム組成などを通じて、中長期的な協業関係を構築することとしている。

「小売分野の業務効率化・最適化を図りたい」

三菱商事の食品流通DX室 室長代行を務める秋山光輝氏および、SENSYの代表取締役CEOである渡辺祐樹氏によるコメントは、それぞれ以下のとおり。

三菱商事 食品流通DX室 室長代行 秋山光輝氏

「三菱商事は、食品流通のサプライチェーンにおいて、中間流通としての卸事業、小売においては、コンビニエンスストアやスーパーマーケットチェーンに対して経営参画し、事業ノウハウを蓄積してまいりました。今般、食品流通業界のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進し、食品小売・メーカー・卸間で分断されている情報や業務プロセスの統合を図ることで、食品バリューチェーン全体の無駄・重複を排除し効率的かつ最適化された食品流通の実現をめざしております」

「SENSY様は、独自のビジネスモデルとAI技術を用い、小売の販売情報などを分析・活用することで、効果の高いマーケティングデータの導出や、精度の高い需要予測をもとにした発注・仕入れの最適化ソリューションを提供しており、今回のSENSY様との資本・業務提携により、小売向けAIソリューションの共同開発・展開などを行ない、小売分野の業務効率化・最適化を図っていきたいと考えております」

SENSY 代表取締役CEO 渡辺祐樹氏

「SENSYでは、創業以来一貫して、消費者感性の理解と、それに基づく産業変革をテーマに事業開発を進めてまいりました。創業当初アパレル業界からスタートした取り組みは、食品業界にも応用され、大手食品スーパーやドラッグストア等で実績を積み上げてまいりました。このたびの三菱商事様との提携により、事業成長スピードを加速し、より良い食品流通の実現を通じて、社会へ貢献してまいりたいと思います」

>>ニュースリリース

3密を避けて買い物、店舗の混雑状況をリアルタイム確認できるサービス

小売業界が抱える課題と言えば、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)にともなう影響も計り知れない。さまざまな企業が新型コロナウイルス感染症の感染拡大を踏まえ、対策サービスに乗り出している。

たとえば、株式会社バカンは4月27日、スーパーマーケットやドラッグストア、コンビニエンスストアなどの小売業種向けに、店舗の混雑状況や待ち人数をリアルタイムで確認できるサービス「VACAN(バカン)」を今後提供し、あわせて加盟店の一般募集を開始すると発表した。

生活必需品を扱うスーパーやドラッグストアなどの小売店では、新型コロナウイルス感染拡大防止のために避けるべき密閉・密集・密接の「3密」が発生しやすい状況だった。しかし、店舗の混雑状況は実際に店頭へ行かなければわからなかった。

このような現状を受けて、バカンはスマホなどから店舗の混雑状況をリアルタイムで確認できるWebサービスを開発した。サービス利用者は、3密を避けて買い物ができるようになる。

VACANでの店内の混雑状況の確認は、AIやIoTを活用してカメラやセンサー、Web待ち列サービス、手押し式のボタンなど、店の状況に合わせた方法で検知する。混雑状況データはVACAN上だけでなく、各店のWebサイトやアプリにも連携して表示できる。

VACANでは混雑状況にくわえ、そのお店がソーシャルディスタンスの確保や消毒など、どのような感染防止対策をしているか確認できるようになる予定だ。なお、VACANは店舗が登録され次第、Webサイトにて公開される。