1月8日、凸版印刷株式会社は「AI校閲・校正支援システム」が株式会社みずほ銀行に採用されたことを発表した。
AI校閲・校正支援システムは、印刷物・デジタル媒体に関する業界・企業特有の表記や専門用語を学習し、企業ごとの基準に合わせて文章の校閲・校正を可能にするものだ。
もともと、みずほ銀行では、商品・サービスの担当部門が制作したパンフレットなどの原稿における専門用語などは、確認部門が一括してレギュレーションチェックをしていた。しかし、制作レギュレーションを複数の作業者に徹底することの難しさから、確認者の2重3重のチェックや複数の確認者からの差し戻しに対する制作者の修正作業などが発生し、制作・確認の両部門ともに負担がかかっていた。また、制作レギュレーションに対する校正スキルやナレッジの属人化も課題となっていたそうだ。
みずほ銀行では2018年12月から2019年3月までの約4ヵ月間、実証実験を行なっていた。実証実験では、広告制作物における校閲・校正業務に本システムを活用することにより、作業者の負荷削減やヒューマンエラーの減少などの業務効率化が確認され、有効性が実証されていた。
2019年3月まで実施していた実証実験では、AIにレギュレーションを学習させた自動チェック機能で、確認部門だけでなく制作部門も初期段階からレギュレーションチェックが可能となり、制作者と確認者間のやり取り回数や修正指示の削減を実現。制作業務フロー全体の業務効率化と品質向上における有効性が確認され、今回の採用に至ったとのこと。
AI校閲・校正支援システムの特長は以下のとおり(プレスリリースより引用)。
- AIを活用した誤表記検出
- 制作レギュレーションを管理
- 制作業務に最適なインターフェース
AIが業界・導入企業特有の表記や専門用語を学習することで、各企業が求めている基準に合わせて誤表記を検出します。また「てにをは」の誤用や漢字誤変換、誤字脱字なども、文脈と合わせて判断・検出ができます。
媒体制作のルールや基準をシステムが管理し、異なる制作者・管理者による品質のばらつきを防止します。媒体ごとに異なるレギュレーションを複数管理することも可能です。
確認者による完成文書に対するチェックだけでなく、制作段階からの文章チェックにも合わせたインターフェースをそれぞれ提供することで、制作時のチェックからオンラインでの赤字入れ、修正指示出しまでの制作フロー全体のデジタル化・効率化を支援します。
>>プレスリリース(PR TIMES)
文章を書くのも自動化しつつある時代に
文章を書きたくない……そんな人にぴったりな「文章自体をAIに書いてもらおう」というサービスはすでに登場している。
Ledge.ai編集部では2018年2月にAIライティングツール「Articoolo」の使用レポート記事を公開。キーワードを2~5個記入すると、20秒程度で記事が生成。タイトルまで付与されている。
実際に生成された文章は、実際に使ってみた記事を参照してほしいが、キーワードは3個選出するのが最も精度の高い文章を作ってくれた印象だ。とはいえ、精度が高いといいつつも、まだまだ原文ママで公開できるほどのレベルではなさそう。なので、現時点ではたたき台だったり、アイデア出しだったりの用途で使うのが良さそうだ。