世界一ネイティブスピーカーが多い言語である中国語。ぜひ習得しておきたい言語のひとつです。
しかし、いざ学習しようと挑戦しても中国語は発音のハードルが高いんですよね。405個の発音と四声という声調の組み合わせで話されるため、ほとんどの初学者が発音でつまずくもの。
それに、独学の場合は発音は自分で正しいかどうかを判断できないので、会話の相手を探す必要もあります。
忙しい日々の中で、そこまで労力を使うのは困難ですよね。スクールに通うという選択肢もありますが、そんな金銭的・時間的余裕があればそもそも独学はしないですし、どうすればいいのやら……。
MS自然言語処理を活用した、無料中国語学習アプリ登場
「Microsoft Learn Chinese」は「Microsoft Research」が開発した、iOS対応の中国語学習アプリです。このアプリでは、基本的な語彙や文法、語句の発音を学ぶことができます。
初心者用と中級者用のモードがあり、学習のレベルに合わせたレッスンが受講可能。
発音が難しい、中国語のような言語の練習相手を見つけることは大変ですが、人工知能なら、相手に気を遣わず、いつでも何度でも、学習ができますね。
英語を学習するアプリはこれまで多かったですが、中国語を学習できるAI駆動のアプリはなかったかと。そこに、高い精度の音声認識技術をもつMSからアプリが出てきてくれたのはうれしいです。
AIは中国語の発音を正確に聞き取ってくれるのか
実際に「Microsoft Learn Chinese」を初心者モードで使ってみました。
まず、iOSアプリを起動。(現状、Android版はないようです。)以下の左図のメニューからレッスンを選びます。
ユーザーは、画面上のキャラクターが紹介するフレーズに合わせて、発音をしていきます。
アプリがユーザーの会話を認識し、発音チェックをしてくれる仕組みです。

アプリがサンプル音声を送ってくれるので、発音が間違っている単語はその場で訂正可能。話した言葉を録音してくれるので、自分の耳で確認することも可能です。
ちなみに、中級レベルでは、お店での注文方法や道案内など、リアルに近いシチュエーションで中国語を学習できます。

発音練習と音声認識の相性
考えてみると、新しい言語のスピーキングを学ぶプロセスには、
- 単語を覚える
- 発音練習
- ネイティブと会話し、実践練習
などのステップがあると思います。
今まで発音練習をするときは、「ネイティブの話者を相手にする」ことが、発音の正確性を判断することや、実践に近づける点でよかったと思います。
一方、「ネイティブと話すほどのレベルではないものの、自分だけでは発音の正確さは判断できないし……」といった状況では、その判断をしてくれるAI型学習アプリは役立ちそう。
自然言語処理の精度が上がっていくと、言語学習の最初のフェーズはAIに置き換えられていくのではと思います。
同じくMicrosoftのCortana(コルタナ)を使った、「音声アシスタントとレッスンをする未来」なんてことも実現するかもしれませんね。
自動翻訳が発達しても、人間が言語を学ぶ必要性はすぐにはなくならないと思うので、「AIを使っていかに効率良く学習するか」を考えないといけないですね。