武蔵野美術大学の学長である樺山祐和氏が出したメッセージが、TwitterなどのSNSで話題となっている。これは5月15日に同大学が生成AIの使用に関する新たなガイドラインとして発表したもので、以下の6点を軸に構成されている。
・生成AIが身近なツールとなってきた現状を認識し、自分の目で確かめてみること
・生成AIの問題点や可能性について深く考えていくこと
・個人情報や機密情報、また悪意のある内容の入力は絶対にしてはならない
・レポートや論文に、生成AIの回答をそのまま用いて提出することを禁止する
・生成AIを引用するときは出典として明記すること
・生成AIの回答をそのまま「自分の作品(自作)」として提出することを禁止する
TwitterなどのSNSからは、学長のメッセージへの大きな反響を見ることができる。
・武蔵野美術大学が公表した生成物に関する声明文、現状認識と理解の解像度が高いように感じ、とてもバランスの取れているものだと思った・現時点での問題点が整理されていてわかりやすかった。一ヶ月後はまた違う世界が広がってそうな人工知能界隈だけど、多くの人に目を通して貰いたいメッセージ
・美術関係の人や学生さんに限らず、広く一般に指針にできるんじゃないかと思う、すぐれたまとめ
・素晴らしく大局を見たメッセージ
・論点が整理されていて読みやすいし、内容も濃密
・バランス感が素晴らしい
・パーパス(存在意義)を明確にした上で、バリュー(行動規範)を明確に提示している
・武蔵美の学長のChatGPTに対する見解は美術に留まらず全ての業界で共通するもの
・生成AIとはどういうものか、何が問題視されているのか、どのように接するべきか等、簡潔に分かりやすくまとめられている
・目まぐるしく変化する状況を整理しつつ、簡潔明瞭なメッセージとして発信されていてしっくりくる。学問分野に関係なく、現役の学生さんには最後の段落だけでも読んでほしい
最後の段落に書かれている言葉は「今の段階では、生成AIは、気軽に相談できる物知りの友人ぐらいの気持ちで接して、あくまでも学びとはなにかを自分で考えながら、調べて、考えて、自身の手と頭を使って試作や実験をして、自分の作品やレポートを作るという意識を持って制作・研究活動に励んでください」とある。
ChatGPTを物知りの友人くらいのスタンスでとらえ、あくまでも自分の頭で考える。その姿勢は、生成AIを利用するすべての人に共通し推奨されるものといえるだろう。