株式会社日立製作所は8月4日、同社が独自開発するAI映像解析技術で監視・警備業務を高度化するソリューション「Hitachi Multifeature Video Search」(以下、MVS)において、2つの新機能を拡充し、提供開始すると発表した。
MVSは、検索対象人物を高速に発見・追跡できる「高速人物発見・追跡ソリューション」だ。発見・追跡の対象範囲を人物だけでなく車両や荷物などにも拡大しており、今回、海外市場で用いてきたMVSと同一名称で、国内市場においても提供を開始する。
今回拡充した機能は、防犯カメラの映像から、特定の行動パターンをとる人物をリアルタイムで検知する「行動検知機能」と、荷物と人物の所有関係を認識する「荷物置き去り/持ち去り検知機能」だ。公共空間における喧嘩などのトラブル、置き引きや不審物などの早期発見が可能になるという。
「Hitachi Multifeature Video Search」(MVS)について
MVSは、AI映像解析技術を活用し、数万人規模の映像データから、後ろ姿など顔の映らない映像からでも、性別、年齢層、服装など100項目以上の全身特徴を高速に判別する。
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約1秒で対象人物を見つける「高速検索」と、多数の防犯カメラから位置情報や撮影時刻を使って移動経路を追跡できる「リアルタイム追跡」が特徴だ。
ライブ映像と録画映像の双方を取り込み、広範囲に及ぶ公共空間における高効率なセキュリティ業務を支援するとしている。
新型コロナウイルス対策に向け、マスクの非着用者や発熱者などの検知・追跡をする機能のほか、人物にとどまらず、検索対象の「車両」を検知・追跡する機能など、ソリューションの強化を重ねているという。ソリューション概要と新機能イメージ
新機能について
1. 行動検知機能
特定の行動パターンをとる人物をリアルタイムで検知
2. 荷物置き去り/持ち去り検知機能
荷物と人物の所有関係を認識し、荷物の置き去り/持ち去りを検知
1. 人物の異常行動の早期発見を可能とする行動検知機能
「行動検知機能」は、MVSに取り込んだ映像から人物の骨格情報を読み取り、その骨格の動きをもとに人物がどのような行為をしているかを解析して、アラートを発報する機能だ。
骨格の形状や各関節点の動きの変化などの情報を用いて、対象人物の向きや背景、服装などによる見え方の違いの影響を軽減し、高精度な検知を実現する。
本機能では、9種類の特定行動(走る・しゃがむ・倒れる・蹴る・殴る・指をさす・見回す・立つ・歩く)の検知が可能。「殴る」「蹴る」といった暴力行為をしている人物や、周囲を「見回す」動作を続けている不審人物や迷子の子どもなどを早期に発見できる。
また、骨格の情報を事前にAIへ学習させることで、9種類以外の行動を検知できるという。
2. 荷物と人物の所有関係の認識を可能とする荷物置き去り/持ち去り検知機能
「荷物置き去り/持ち去り検知機能」は、MVSに取り込んだ映像から、荷物の置き去りや持ち去りを検知し、アラートを発報する機能だ。
荷物と人物の所有関係を紐付けて認識することで、置き去り前後の移動経路や行動把握、荷物を持ち去った人物の追跡が可能。
これまで荷物の所有関係は、人と荷物との距離で判定していたが、本機能では「キャリーケースを掴んでいる」「リュックを背負っている」など、荷物所有時の画像上の特徴をあわせて深層学習することで高精度に判定できるという。
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